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「京都の地下を掘らないで!」 
北陸新幹線延伸で反対住民がデモ

土岐直彦・ジャーナリスト|2023年12月8日3:19PM

 北陸新幹線の延伸計画(敦賀―新大阪間)をめぐり、ルート上にあたる京都府内各地の反対住民団体が11月23日、「今なら計画を止められる」と京都市内に結集。市中心部で初のデモを行ない、「北陸新幹線延伸で京都の地下を掘らないで!!」とアピールした。

デモ参加者は「いらない、あぶない巨大トンネル」などとコール。(撮影/土岐直彦)

 計画では敦賀(福井県)―小浜(同)―京都―新大阪のルート(延長約140キロ)中、約8割がトンネル区間だ。京都府内には福井県側から山岳トンネルで入り、南丹市美山町―京都市右京区京北地域を経由。市街地では地下40メートル以深を通って大阪へ。環境影響評価にかかるボーリング調査などが、事業者となる独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の手で進められている(本誌2021年3月5日号で詳報)。

 早期着工を迫る自民・公明の国会議員による与党プロジェクトチームの要望に対し、国土交通省は今年度、約12億円の調査費を計上。住民らは危機感を強め、署名活動などを活発化させてきた。

 23日の集会・デモは「北陸新幹線延伸計画の環境アセスメントの一旦停止を求める会」(以下、「求める会」)が音頭をとって企画。ルート地域の住民18団体からの参加があった。各団体の代表が次々と、トンネル掘削による大量残土の処理、自然破壊、京文化を支える地下水への悪影響などの問題点を挙げ、「無謀な計画を何としても止めよう」と誓い合った。沿線自治体の建設費負担も巨額にのぼり、来年2月の京都市長選挙では反対の声を受け止める候補を支援しようとの呼びかけもあった。

「求める会」の榊原義道事務局長は「建設費は16年当時で2兆1000億円とされていたが、資材費や人件費が膨張し『4兆円以上』の声もある。人口減少社会で乗客も減少が見込まれて採算もとれず、普通ではあり得ない、混迷した計画だ。住民の声を、もっともっと上げていきたい」と話す。

(『週刊金曜日』2023年12月8日号)

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