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大間原発建設差止等請求訴訟 
函館新市長の訴訟継続の意思を弁護団が報告

脱原発弁護団全国連絡会|2023年10月10日4:09PM

 9月12日15時、北海道・函館市が原告となり、大間原発の建設差し止め等を求めた訴訟の第30回口頭弁論期日が東京地裁で開かれた。篠田賢治裁判長を新たに迎えて弁論更新があり、原告側から45分間のプレゼンテーションを行なった。

期日後の市民主催の集会で報告する弁護団。(撮影/脱原発弁護団全国連絡会)

 冒頭、福島原発事故の責任と原発事故被害の甚大性についての説明にあたって海渡雄一弁護士は、9月4日に大泉潤新市長と直接面談し、本件訴訟の継続は函館市はもちろん、道南の市町村の一致した思いであると力強く言われていたと報告した。

 中野宏典弁護士は福島第一原発事故のような深刻な事故を二度と起こさないという2012年の原子力関連法令等の改正の趣旨、原発に求められる安全の程度、科学の不定性を踏まえ、保守性を見込むべきこと、深層防護の徹底と、各レベルの判断における具体的な判断基準について説明し、司法判断にあたっては原発事故被害の特殊性から目を背けることなく、推進の論理に影響されない判断をされることを強く求めると述べた。

 これを受けて只野靖弁護士は、大間原発の安全性に対して、最も脅威となる大間北方沖活断層の検討が不十分であることを説明した。裁判所においては、どちらの見解が正しいのか判断の必要はなく、原発事故の甚大な被害を避けるためには自然現象の不確かさを安全側に考慮して判断すればよい。そして、北方沖活断層を明確に否定できない場合はこれを震源として想定し、基準地震策定の検討対象に含めるべきことを、地震ガイドは求めており、電源開発の申請は地震ガイドを満たしていないのである。電源開発は非科学的な検討をせず、規制委もこれを容認せず、下北半島の隆起を踏まえて地震動評価すべきであると締めくくった。

 被告国は、予定していた火山事象についての主張は、審査の見通しが立っていないことから提出しないことになったという。

 次回期日は来年2月26日15時を予定。

(『週刊金曜日』2023年9月29日号)

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