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41道府県議選の女性当選者14%から何を読み取る?

宮本有紀・編集部|2023年4月22日7:00AM

4年後の選挙を見据えて

 大阪府知事選に立候補した谷口真由美氏の友人というジャーナリストの浜田敬子氏は「記者会見をする前なのに名前が挙がった段階でメディアが夜中まで自宅に来て、なぜ住所がわかったのか、普通の女性の感覚では怖いと谷口さんは言っていた。実際、自宅がわかって人が押し寄せたりストーカー被害にあったりした女性の地方議会議員がいる。男性社会の365日24時間戦うという『常識』を批判できる常識がメディア側になければならない」と苦言を呈した。

 大阪で活動している前衆議院議員の尾辻かな子氏は、「大阪府議会は女性が増えた、とは言える。構成は維新が過半数超えの55議席になり、女性は7人で比率12・7%。自民党は9人減の7議席で女性ゼロ、公明党は14人全員当選し女性4人で28・6%。共産党は1人減らし女性1人に。立憲民主も女性1人のみ当選」と報告。しかし大阪維新の会代表が府知事で、議会の過半数を同党が占めるという状況を「二元代表制と呼ばれる地方議会のチェック機能が果たされるのか」と疑問視し、「維新の一党で女性議員が増えたことが政策にどのように反映されていくか見ていきたい」と話した。

 政治学者の三浦まり氏は、「女性の当選者は全体では増えたが、減った議会もある」とすべての議会で女性が増えたわけではないと注意を喚起する。「一方でとても増えた議会もあり、香川、岡山、鹿児島の3県で女性比率2割を超えた。特に香川は5%から22%と大幅増。鹿児島も10%から21・6%になった」と地域差が大きいと解説。「うまくいっている地域は何故か。地域の事情、市民社会の動き、政党の対立構図、定数など多様な要素がある。4年後に向けて何をすれば自分の地域でもっと女性が増えるのか、女性だけではなく多様な候補者が出られるような新しい民主主義を作ることができるのか。今年の統一地方選をつぶさに観察することでヒントが見えてくるのではないか」と提言した。

(『週刊金曜日』2023年4月21日号)

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