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『ワタシタチハニンゲンダ!』が第5回「むのたけじ賞」大賞に

竪場勝司・ライター|2023年3月15日7:00AM

映画『ワタシタチハニンゲンダ!』より。入管で男性が職員から暴行を受ける場面。(提供/高賛侑)

 反戦・平和を訴え続け、2016年に101歳で死去したジャーナリスト、むのたけじさんにちなんで創設された「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」の第5回受賞作品が、2月22日に発表された。今回は7作品が受賞し、大賞には、在日外国人に対する差別を追及したドキュメンタリー映画『ワタシタチハニンゲンダ!』(高賛侑=コウ・チャニュウ監督)が選ばれた。

『ワタシタチハニンゲンダ!』は技能実習生、難民などの在日外国人への差別、入管による被収容者への非人道的扱いなどを取り上げた作品で、22年に公開された。

 22日に埼玉県庁で開かれた受賞作品発表の記者会見では、同賞実行委員会(※)共同代表の永田浩三さんが同作について「日本社会の中で外国人がどのように扱われてきたのかを、戦後から歴史的にたどっていった、非常に骨太の作品だ」と評価。そのうえで「分断の悲劇にあった在日朝鮮人の歴史的なことを押さえ、入管での暴行事件や、仮放免がなされたとしても生きていけない現実がきちんと描かれている。委員の満場一致で大賞に決まった」と語った。

 会見に同席した高監督は「このような重要な大賞をいただくとは夢にも思っていなかったので、本当に感謝している」と謝意を表明。さらに、「各地を取材して、日本の国家政策が朝鮮人だけでなく外国人全体に対して本当にひどい差別をやっているということを確信するにいたった」としたうえで、「この映画は国家が先頭に立って外国人差別政策をやっていることへの憤りから、その歴史と現実を描くドキュメンタリーが、今こそ必要だろうということで作らせてもらった。こうした差別政策を撤廃するための運動に少しでも寄与したい」と受賞の喜びを語った。

 高監督によると昨年の公開以来、自主上映の申し込みが相次いでおり、今後も国内外で上映活動を展開していく予定だという。

(『週刊金曜日』2023年3月10日号)

※実行委員会共同代表は落合恵子、鎌田慧、佐高信、永田浩三、武野大策の各氏。

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