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こんな国でサミットできるか! 性的少数者差別発言に怒る当事者たち

岩本太郎・編集部|2023年2月21日7:00AM

「今は政府がむしろ率先して差別を広げているような状況」

 HRW日本代表の土井香苗さんは、前記のようにLGBT関連の法整備が日本ではほとんど進んでいないことについて「世界的にも問題視され、今回の荒井前秘書官の発言も海外で大きく報じられている」と指摘。日本のNGOなどが、一昨年の東京五輪の開催までに法整備を求めたにもかかわらず実現しなかったこと、岸田首相が荒井氏更迭後に「多様性を尊重し包摂的な社会作りを目指す内閣の方針は揺るがない」などと弁明をしていることにも触れ、「政府がやるべきは人権を守るための法を作ること。そうした義務をまるではたしていない」と批判した。

 集会で最後に発表に立った一般社団法人「fair」代表理事の松岡宗嗣さんは、性的マイノリティへの差別を禁じる法律整備などを求めて会見2日前の2月5日から「Change.org」で立ち上げた署名活動「更迭だけで終わらせない!#岸田政権にLGBTQの人権を守る法整備を求めます」が、会見当日朝の時点で3万6750もの賛同者を得たことを報告(その後本号締め切り時点で5万以上に)。「短時間でこれだけの賛同を得たことが現在の社会の状況を表している」と手応えを語ったうえで、「今は政府がむしろ率先して差別を広げているような状況」と語り、世論と政治が乖離している状況に懸念を表明。質疑応答でも自民党が一昨年「差別は許されない」との文言が盛り込まれた「LGBT理解増進法案」の提出を保守系議員らからの反発を受けて見送った件などについて問われて「差別をしたいと言っているようなものでしかない」とずばり指摘した。

(『週刊金曜日』2023年2月17日号)

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