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子どもの「意見表明権」の確立を 東京弁護士会がシンポ

小宮純一・ジャーナリスト|2023年2月16日7:00AM

シンポジウムで発言するパネリスト。1月28日、東京・千代田区で。(撮影/小宮純一)

 国連で1989年に採択された「児童の権利に関する条約(通称『子どもの権利条約』。日本政府は94年批准)」は第12条で子どもの「意見表明権」を明記している。それを制度面で保障しようという活動が「子どもアドボカシー」だ。日本では2016年から22年にかけての法整備(改正児童福祉法、改正家事事件手続法、子ども基本法)にも反映され、基本理念や手続きの具体化が始まっている。

 その現状と課題について考えるシンポジウム「子どもの声を聴く―家庭で、学校で、社会的養護の現場で」が1月28日に東京都内で開かれた。東京弁護士会が主催し、都内の社会福祉法人「カリヨン子どもセンター」が協力。同法人は、少年事件やいじめ、虐待などをテーマに子どもと弁護士がシリーズで作り続けている創作芝居「もがれた翼」にも協力している。

 第1部は「もがれた翼」3作品をダイジェスト上映。第2部では、同弁護士会「子どもの人権と少年法に関する特別委員会」委員長の佐藤香代弁護士による基調報告に続いてパネルディスカッションを開催。川瀬信一氏(内閣官房こども家庭庁設立準備室)、大久保真紀氏(朝日新聞社会部編集委員)、坪井節子弁護士(カリヨン子どもセンター理事)、池田清貴弁護士(厚生労働省子どもの権利擁護に関するワーキンググループ元構成員)が登壇した。

 討論では、子どもが自分の意見を言うと“わがまま”とされ、大人がそれを受け止めきれない日本の現実について「大人側が準備をしなければならない」との指摘があった。具体的には、①子どもは自分に関わるすべての決定事項に当事者として参画するのが当然②子どもと大人は同等のパートナー③大人は意見を聴取する子どもに「君が考えていることを話しても大丈夫だ」と、安心と安全を保障する――といった方向へ認識を変えていかなければならないとの意見が上がった。

(『週刊金曜日』2023年2月10日号)

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