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神奈川県警巡査パワハラ自殺裁判が結審 
家族「事実知りたい」訴え

池添徳明|2022年7月1日8:06PM

 神奈川県警泉署の新人巡査だった古関耕成さん(当時25歳)が2016年3月に署内のトイレで拳銃自殺したのは先輩や上司のいじめやパワーハラスメントが原因だったとして、秋田市在住の両親が、神奈川県に約5500万円の損害賠償を請求した訴訟(本誌18年3月9日号ほかで詳報)が6月3日、横浜地裁で結審した。

古関耕成さんの遺影を掲げ「事実が知りたい」と訴えた両親。2018年3月12日、横浜市で。(撮影/池添徳明)

 耕成さんは15年2月に県警に採用。警察学校研修を経て、泉署の地域課に配属された。

 家族や訴状などによると、同年末ごろから「先輩に怒鳴られ暴力を振るわれる」と家族にこぼすようになった。職場の飲み会では、裸になった先輩の体に付けたアイスを舐めろと言われ、キスを強要されたと訴えて悩んでいた。

 翌年3月6日には交通反則切符の引き継ぎミスをめぐり先輩から執拗に叱責され、交番に1人置き去りにされた。耕成さんは母親に「先輩から『お前とは組みたくない』『みんなから嫌われている』と言われた」と電話で話し、泣き出したという。

 班長の警部補は母親に「取り乱していて心配だから迎えにきてほしい」と連絡。耕成さんに3日間の休暇を命じ、カウンセリングを受けるよう勧め帰省を促した。

 しかし耕成さんは帰省することなく、休暇明けの3月12日朝、出勤した泉署で拳銃自殺した。

 家族は「精神的に不安定なのを知りながらなぜ拳銃を持たせたのか。泉署で何があったのか。事実が知りたい」として18年3月に提訴。横浜地裁は昨年末に和解勧告案を示したが、県警側は拒否した。自殺の予見可能性と、拳銃を携帯させた是非が争点だ。

 最終意見陳述で母親は「研修期間中の若者への対応が正常になされていたとはとても思えない。いじめやハラスメントによる悲劇が少しでも減るように、この裁判が役立てばと願う」と訴えた。判決は7月29日。

(池添徳明・ジャーナリスト、2022年6月17日号)

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