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牛久入管の被収容者に市民団体らが日用品の差し入れ 
施設内からは窮状の訴え相次ぐ

崎山勝功|2021年2月1日1:58PM

牛久入管収容中の外国人への差し入れ品を車から降ろす「牛久の会」会員たち。(撮影/崎山勝功)

出入国在留管理庁東日本入国管理センター(牛久入管、茨城県牛久市)に収容中の外国人への支援活動などを行なう市民団体「牛久入管収容所問題を考える会」(牛久の会、同県つくば市)は1月6日、牛久入管の被収容者約100人に日用品を差し入れる「牛久入管一斉差し入れ行動」を実施した。

会員たちは差し入れ品の石鹸、洗濯用液体洗剤などの衛生用品や筆記用具を収容ブロックの人数ごとに振り分け、各ブロックの取りまとめ役の被収容者に渡すよう入管職員に託した。差し入れ品は被収容者たちがシャワーや洗濯など日常生活を営むのに必要なものばかりで、同会の田中喜美子代表は「会員や市民からの支援カンパを購入費用に当てている」と言う。この日は別の市民有志も差し入れに訪れ、被収容者向けに漫画雑誌や外部との文通用ミニレター(郵便書簡)などを差し入れていた。

差し入れと並行して、会員たちは手分けして多くの被収容者と相次いで面会して話を聞いた。

コンゴ共和国からの政治難民として4年前から難民申請中の男性は「難民申請の書類を出したけど(日本政府は)認めていない。なぜ難民を認めないのか」と日本政府の対応を批判した。

「保証人を4人立てているのに仮放免してくれない」というラオス人男性は、病気で足がむくみ、車いすが不可欠な状態だった。男性は入管に病院での手術を要請したが、入管側は「コロナがあるから」「入管が(費用を)支払うから」などと言って、手術を受けさせてくれない窮状を訴えた。

カシミール自治区(インドとパキスタンが領有権を争う地域)出身の男性は、居室に入管職員が入って所持品検査をされた際に、イスラム教の教典・コーランを粗末に扱われたことに立腹し「ウチの同意も取らずに部屋に入って、部屋をぐちゃぐちゃにしてくる」と、不満を示した。

(崎山勝功・元『常陽新聞』記者、2021年1月8日号)

 

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