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アルコールによる消毒・除菌
過敏症の方に配慮を
岡田幹治|2020年5月25日3:46PM
【手洗いすれば消毒必要なし】
CSに詳しい渡辺一彦・渡辺一彦小児科医院院長(札幌市)によると、過度に消毒液や除菌消臭剤が使用された環境は、CS患者の症状を悪化させ、まだ症状のない人を発症させる可能性がある。
「化学物質で体調が悪化する病があることを社会として認識し、そのことに配慮したうえで感染予防を進めてほしい。過剰な消毒や意味のない消毒はやめるべきだ」と渡辺医師は言っている。
たとえば厚生労働省の啓発資料には「手洗いを丁寧に行うことで、十分にウイルスを除去できます。さらにアルコール消毒液を使用する必要はありません」と書かれているが、二つともする人がいる。
また「ファブリーズW除菌」などを全身に大量に吹きかける人が増えているが、この商品についてメーカーのP&Gジャパンは「新型コロナウイルスの予防を目的とした製品ではなく、またその効果は確認できておりません」とサイトに記している。
過剰な消毒は弊害も生む。
各地の皮膚科クリニックで3月以降、例年なら減る手荒れの患者が増えている。アルコール消毒や手洗いのやりすぎが原因だ。特に幼児は肌のバリア機能が弱いため、アルコールで肌が乾燥し、手荒れやひび割れが起きやすい。
ウイルス対策のうがいは口腔内の乾燥を防ぐことなどが目的なので、水で十分だ。イソジンなど殺菌効果の高いヨード系のうがい薬を多用すると、口腔内の善玉の常在菌まで殺し免疫力を低下させると、内科医の秋津壽男・秋津医院院長(東京都品川区)は注意を促している。
(岡田幹治・ジャーナリスト、2020年4月24日号)