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「うちで踊ろう」安倍首相ツイッター投稿に「表現によるプロテスト」

植松青児|2020年5月19日12:24PM

「RADIO歌舞伎町」氏のツイート(https://twitter.com/RadioKabukicho/status/1249252503117430786)

4月13日付『日刊スポーツ』は1面トップで「安倍首相は貴族か」と厳しい揶揄の言葉を掲げた。前日の安倍晋三首相によるツイッター投稿への非難記事である。そのツイートには星野源が歌う「うちで踊ろう」の映像とともに、安倍首相が自宅ソファでティーカップを片手にくつろぎ、愛犬を抱く映像が映し出されていた。その後、このツイートに対する批判の声が広範に噴き出していった。

中でも40万を超す閲覧数を集めたのが、安倍首相のツイートと同日の10時間後、匿名のツイッターアカウント「RADIO歌舞伎町」氏が投稿した映像入りのツイートである(https://twitter.com/RadioKabukicho/status/1249252503117430786)。映像の右半分には安倍首相(の顔マスクをはめた人物)が紅茶を飲みくつろぐ姿のパロディ映像(犬の代わりに「トナカイの顔」付き帽子を抱く)。左半分では若い男性が星野源の歌「うちで踊ろう」の替え歌を歌う。

「うちに居たいけれど/働かなきゃ金がない/うちに居たいけれど/働かなきゃ生きれない/通勤電車に乗るオレの気持ち/お前らにわかるかい?/営業やらなきゃ死ぬ気持ち/お前ら金持ちにわかるかい?(略)/うちで踊ってるほどヒマじゃねえ/ふざけんな」

その後、政府は「一律1人10万円給付」など「自粛と補償はセットで」の世論に押され政策を変えつつある。この歌も次第に忘れ去られていくかもしれないが、こうした「表現によるプロテスト」を私たちは意識的に記憶していくべきだろう。繁華街でのデモも、官邸前に集まることも困難な今、ネット上での表現による抵抗こそ、民衆運動史として記憶されるべきだ。今後もこのような抵抗の手法が重要であることは間違いない。

なお、安倍晋三フェイスのゴムマスクは4月17日現在、通販サイトのアマゾンで販売されている。

(植松青児・編集部、2020年4月24日号)

 

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