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「面従腹背」の戦略投票を

西川伸一|2019年8月14日6:00PM

7月6日の各新聞朝刊は参院選について公示直後の序盤情勢を報じた。「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3は微妙」(『朝日新聞』)、「与党の改選過半数確実 参院選序盤情勢 改憲勢力維持か」(『産経新聞』)、「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3うかがう」(『日本経済新聞』)、「改憲 3分の2割れも 与党、改選過半数は確保」(『毎日新聞』)、「参院選 自民が優位」(『読売新聞』)と見出しが打たれた。

私は今回の参院選では、非改選議席を合わせて改憲勢力に3分の2を与えないことが必達目標だと考えている。1議席が分かれ目になるかもしれない。その意味で注目したいのが、広島選挙区である。改選数2に対して自民党の現職と新人、および無所属の現職の3人が有力候補か。共産党も新人を立てた。7月6日付『中国新聞』は「自民党の現職と新人が堅調。(略)横一線で並び、党支持層を分け合う」「野党勢力を結集しようと無所属で立った現職(略)は(略)議席の死守へ追い上げを期す」と寸評する。

自民党は広島選挙区で1998年以来21年ぶりに2人を擁立した。2016年参院選では自民党候補が56万8252票、民進党候補が26万4358票で当選した。次点はおおさか維新の会候補の15万7858票、次々点が共産党候補の8万8499票であった。13年参院選になると、自民党候補が52万1794票、民主党候補が19万4358票で議席を得た。次点は日本維新の会候補の17万3266票、次々点が生活の党候補の13万7327票で、続いて共産党候補が8万6145票だった。

つまり、過去2回とも自民党候補は野党の当選候補に倍以上の差をつけ当選している。自民党広島県連の反発にもかかわらず、党本部が新人を擁立したのは当然の判断である。さらに、両候補が「堅調」なのは維新の会の支持票も流れているためだろう。3年前の両党の得票数を単純に足し算すると72万6110票である。今回の2人の自民党候補が「横一線」とすれば、半分の36万3055票を分け合うことになる。

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