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別姓確認訴訟で想田和弘監督が意見陳述

宮本有紀|2018年11月16日8:00AM

選択的夫婦別姓を求め、映画作家の想田和弘さんと舞踏家の柏木規与子さん夫妻が国を提訴した裁判の第2回口頭弁論が11月7日、東京地裁で開かれた。夫妻は、米国ニューヨーク州法に基づき別姓で婚姻。法の適用に関する通則法第24条では、海外の現地法に基づく婚姻をした場合には日本でも婚姻が成立しているとみなされる。しかし同姓でないと夫婦としての戸籍は作成されないため、国内では戸籍で婚姻関係にあることを公証できない。これは立法に不備があるとして、婚姻関係の確認などを求め提訴したものだ(詳細は本誌6月22日号、7月6日号に掲載)。

想田さんは意見陳述で「姓を統一したいという方々の意思は、当然のことながら尊重されるべきです。同様に、別姓のまま結婚したいという私たちの意思も尊重していただきたい」「理解に苦しむのは、私たちが別姓を選択しても他人の自由や権利が侵害されることはない、つまり公共の福祉に反しないのに、日本の法制度が別姓を選択する自由を阻んでいることです。それは憲法第13条に反しているといえるのではないでしょうか」などと訴えた。

国側は民法750条の要件(同姓)を満たしていない夫妻は婚姻関係にあるという公証を受けられる地位にないという姿勢で、訴え自体が不適法であるとしている。しかし、この日は古田孝夫裁判長が国側に質問し、争点を明らかにするよう求めたため国側が慌てる場面も。裁判後、想田さんは、「国側がすごく慌てている感じで、ドキュメンタリー作家としてはカメラを回したいくらいでした。ああいうところに本質が表れる。本当は法律が矛盾しているのに、あらゆる詭弁で整合性をつけようとしているけれども難しいんでしょうね。それがビジュアルで見えました」などと感想を述べた。

次回口頭弁論は1月23日の予定。

(宮本有紀・編集部、2018年11月16日号)

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