蓮舫氏と前原氏が一騎打ちの民進党代表選の争点――「野党連携」路線引き継ぐのか
2016年9月13日11:19AM
民進党代表選に出馬表明をした蓮舫代表代行に続き、前原誠司・元外務大臣が8月26日に出馬会見。一騎打ちの構図となる中、岡田克也代表が進めた「野党連携路線」を引き継ぐのかが大きな争点だ。
蓮舫氏は5日の会見で「参院選では安保法や憲法で考えを同じくした野党、国民と大きなうねりを作れた。新しい動きは大切にしたい」と評価する一方、「衆院選の場合は政権選択になるので、綱領や政策が大きく違うところとは一緒に政権を目指すことができない」「野党連携のあり方を含め、参院選の結果を検証したい」とも指摘。
しかし、今回の参院選では3年前に比べ、1人区は2から11に5倍以上、民進党も倍増。検証をすれば、「どん底から復調傾向に戻した岡田代表路線を継承」という結論に至りそうだが、蓮舫氏の立場は23日の日本外国特派員協会での会見でも不明瞭なままだった。「(岡田路線継承について)参院選1人区では一本化は望ましかったが、東京選挙区では野党は敵だった。それは路線ではなく、各選挙区と地域事情による一つの戦術」。
前原氏も衆院選での野党連携に慎重。「参院選1人区で(野党が)4項目で合意、協力したことは一定程度の成果があった。ただ政権選択の衆院選では、外交・安全保障・内政で基本的な考え方が一致しなければならない。考え方が違うところと組むことは野合だ」。
しかし自公は基本政策が食い違う野合をしながら政権維持。厳密な政策の一致にこだわると、選挙上不利になる恐れがある。そこで「参院選と同じような大まかな政策合意の岡田路線の方が有利ではないか」と聞くと、前原氏はこう答えた。「旧民主党の政権交代の時は多くの無党派層が共鳴、我々は大勝した。多くの国民の琴線に触れる政策を訴えるのが第一。まず基本政策を打ち出し、協力できる党と協力を行なうことが大事です」。
今後、両者の論戦が注目される。
(横田一・ジャーナリスト、9月2日号)
〈編集部注〉その後、玉木雄一郎国対副委員長が立候補したため、民進党代表選は3氏の闘いとなっています。