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神奈川県議会で「共産党いじめ」が進行中?――「共産党に猛省を求める決議」

2016年6月2日7:41PM

神奈川県議会で、「数の力」をもって共産党会派の言動を封じるかのような動きが進行中だ。

昨年4月の県議会議員選挙(定数105)で共産党はゼロから6議席に躍進し、同党会派は交渉団体(4人以上)となった。これで、議会運営委員会(議運)に委員を出し、本会議で代表質問ができる。

しかし4月11日の議運で、自民党委員は共産党がミスや不手際を繰り返しているとし、同会派の代表質問制限と謝罪文提出を要求し、5月11日の協議が決まった。

発端は、昨年夏に共産党が県議会の海外調査を「県民福祉の向上とは言えない」と批判したこと。これ以降、他会派からの執拗な攻撃が続き、共産党の不手際もあり、同党は「混乱を招いた」として今年二月定例会での代表質問を辞退。しかし定例会最終日、同党は請願の賛否を間違え(討論終結前に訂正)、批判の声が再び上がった。

5月11~12日の深夜まで、議運での議論が断続的に続いた。共産党以外の全5会派は、先の提案に賛成し、共産党団長の井坂新哉委員に責任を取るよう迫った。

自民党委員「県議会の権威ってあるわけだよ。伝統も歴史もルールもある。そこに達していない」。かながわ民進党委員「積み重ねの中で、代表質問ができる交渉会派にふさわしいのか、いや違うという、単純にそれだけのこと」……(『神奈川新聞』ニュースより)。

こういった動きを受け、県議会の外では「民主主義を守れ!」などと多くの人が訴え、ネット上でも同様の声で溢れた。

共産党の井坂団長は筆者の取材に対し、「私たちは確かに幾つかミスをしたが、それを『未熟だ』として県民から負託を受けた議員の発言権を他会派が制限してもよいのか、という問題だ」と語った。

共産党以外の5会派は結局、代表質問制限案は今回見送り、16日の本会議に「共産党に猛省を求める決議案」を提出した。この中で、共産党議員団に対し「再度このような事態を招いたときは、交渉の権利を有する団体の立場を辞する覚悟を持って議会運営に臨む」ことを求めた。決議案は、共産党以外の全員起立賛成(一人会派の神奈川ネットは退席)で可決された。

本会議後、井坂団長は賛同者らを前に「断じて許されないことだ」と述べた。この問題は進行中だ。

(星徹・ルポライター、5月20日号)

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