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NGOが安倍首相宛ての公開書簡も提出――ドイツでも多数の脱原発デモ

2014年4月2日6:58PM

日本大使館前で、風車を地面に立てる参加者たち。(撮影/矢嶋宰)

日本大使館前で、風車を地面に立てる参加者たち。(撮影/矢嶋宰)

 東電福島第一原発事故発生から3年を迎えた3月、ドイツ各地でも数々のデモや関連行事が行なわれた。その数は240以上にのぼり核の脅威に対する関心が依然として高いことをうかがわせた。

 首都のベルリンでも3月8日、邦人グループ「Sayonara Nukes Berlin」(SNB)とドイツ人グループの「Anti Atom Berlin」らが「かざぐるまデモ」を共催。1000人ほどの人々が再生可能エネルギーの一つである“風力”イメージした風車を手に日本大使館前まで市街を歩いた。

 トルコ系のアルスラン・イルマズさん(60歳)は、日本の三菱重工とフランスのアレバがトルコのシノップで原発プロジェクトを進めていることを報告、官民一体の原子力グローバルビジネスを強く批判した。

 デモを呼びかけたヘルド比呂子さん(37歳・SNB)は、「外から見てインターネット上に愚痴を書き込むだけの“オバさん”にはなりたくなかった。ここからも脱原発派へエールを送りたい」とデモ開催を決めた動機を語ってくれた。

 7日には、SNBなどの代表らが日本大使館を訪問し安倍首相宛ての公開書簡を提出。ドイツの大学の日本学関係者の中には日本からの研究費支援打ち切りを心配して、原発反対への賛同に拒否するというケースもあったようだが、事情に詳しい関係者は「自分の利益を見越して判断する日本市民社会の一面をよく知っているからではないか」とその背景をみている。

 8日にはまた、ドイツ最大の邦人拠点であるデュッセルドルフでも「サヨナラ原発デュッセルドルフ」がデモを主催した。参加したベトナム難民協会(ケルン)のダオ・ヴァンバットさん(67歳)は「現在のベトナムでデモは困難。日本の市民みなさん自らが、ベトナムへの原子力技術輸出中止を求める請願書を日本政府に出してほしい」と筆者に語った。

(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、3月21日号)

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