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今秋、神戸でシベリア抑留が朗読劇に

2012年9月14日5:54PM

原作者の細川俊三さん。(写真/たどころあきはる)

“地獄の三重苦”を生き抜いたシベリア抑留の体験記が今秋、初の朗読劇として登場する。

 抑留体験を手記『シベリア抑留日記』としてまとめ、語り部活動を続けている原作者の細川俊三さん(神戸市在住、87歳)は「シベリア抑留の体験が朗読劇になるのは、日本では初めて。平和への想いを込めて、二度と戦争は起こさない決意を後世に伝えたい」と語る。地獄の三重苦とは、酷寒、飢餓、重労働を意味し、1945年8月から帰国までの数年間で、日本軍捕虜約64万人のうちソ連側発表で6万1855人が現地で死亡したとされる。

 朗読劇「海溝を流れる声Ⅱ~凍土(ツンドラ)に生きて~シベリア抑留」は、細川さんの体験をもとに詩人の車木蓉子さんの作、合田幸平さんの演出で上演する。11月9~18日の週末、神戸市内で昼夜合計11公演を予定。劇団「どろ」の俳優を中心に、かつて細川さんが初代委員長を務めた神戸労演(現神戸演劇鑑賞会)のメンバーが、オーディションを経て舞台に立つ。

 細川さんは、1945年3月4日、19歳で兵庫県の姫路師団に現役入営。満州(中国東北部)に送られ、ソ連の参戦でシベリアに抑留、1949年10月30日、舞鶴港に帰国するまで、シベリア各地で強制労働に明け暮れた。

 当時の日本軍に「捕虜」の概念はなく、戦陣訓第八条の「生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」に縛られ、無条件降伏に至っても勅令をもって「敵軍の勢力下に入りたる帝国陸軍軍人軍属を俘虜として認めず」と通達したことが「国際法上の捕虜の権利」の放棄につながり悲劇を生んだ。

 一方、ドイツ軍約240万人の捕虜は国際法上の「捕虜の権利」を主張してソ連側と待遇改善などを取りきめ、戦後の帰国者への補償、対外的な戦後処理でも、日本とは好対照だ。朗読劇は、これらへの痛烈な抗議、批判となっている。

問合せ先:078-222-8651

(たどころあきはる・ジャーナリスト、8月31日号)

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