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ヒカリエ開業に沸く東京都・渋谷区――予告なしに野宿生活者を排除
2012年7月31日5:27PM
東京都渋谷区は美竹公園と、同区役所下にある駐車場、区役所前の公衆トイレの三カ所を、六月一一日に封鎖した。前二カ所については何の予告もなく、災害時の一時集合場所としての整備や区の記念事業の植栽整備など公共工事がその名目だ。野宿生活者にとっては、体を休められる貴重な場所。美竹公園や区役所駐車場を拠点に長年炊き出しをやって来た「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん)」の黒岩大助さんや「聖公会野宿者支援活動・渋谷」の楡原民佳さんは次のように言う。「渋谷区と東急グループによる官民一体の野宿者、貧困者排除が今回の一連の『追い出し』の本質だと思います」「近くの公園に移った人たちは、公園管理者からブルーシートなどで寝場所を作ることを禁じられました。完全追い出しの状態で、人の命をなんだと思っているのか」と憤りを隠さない。
美竹公園の野宿生活者のテント小屋やのじれんの炊き出し道具用の倉庫を対象に区は庁舎内に「告示」を出し、六月二〇日より行政代執行に向けた手続きに入っている。
弁明機会付与通告書の期限である七月一一日、対象のテント小屋を所有する野宿生活者たちとのじれんは区長宛の弁明書を区に提出。同時に、六五五名五七団体の賛同署名を連ねた抗議声明を提出。
渋谷区の伴秀樹経理課長は「人工地盤下(駐車場)は庁舎の一部。『閉鎖』についてそこで寝泊りする人たちにいつ工事しますから、とこちらが言うことは、彼らがあそこにいることを認めることになってしまいますから(必要はない)」と、また同吉武成寛公園課長は、「今、不法に占拠されている状態が前提にあるとは思います。ですが、行政代執行はなるべくなら避けたいと思っています」と話す。
いまだ「出口」の見えない状況が続くが、わかっているのは、野宿生活者の命をつなぐ場所が、今また危機的状況あることだ。
(西村仁美・ルポライター、7月20日号)
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