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「東日本大震災女性支援ネットワーク」発足――復興計画にジェンダーの視点を

 大災害時、女性は身体的・精神的暴力に晒されやすく、養育や介護、不安定雇用などさまざまな問題を抱えることが指摘されてきた。東日本大震災でも同様の課題があるとして、女性の視点が尊重される支援や避難所の運営の確立と、被災した女性たちが主体的に復興に関われる環境作り等を目指す「東日本大震災女性支援ネットワーク」がこのほど、発足した。

 ネットワークは国内外の災害支援・復興に関わった経験のある個人や団体、女性支援団体や学識経験者、メディア関係者などで構成。

 竹信三恵子・和光大学教授と中島明子・和洋女子大学教授が共同代表を務める。被災地の女性への聞き取り調査や女性への支援活動をする団体への人材派遣など後方支援を行なうほか、復興計画にジェンダーの視点を反映するよう政策提言を行なう予定だ。

 同ネットの世話人を務める正井礼子氏と赤石千衣子氏は「これまで、災害時に性暴力にあった事例を挙げても信じてもらえず、海外の事例を挙げて暴力からの保護の必要性を述べても、日本ではそういうことは起きないと言われる。客観的に性暴力被害があったという記録を残すためにも調査が必要」と意義を説明。

 竹信氏は「間仕切りがなく着替えもしにくい避難所や、女性トイレの入り口が丸見えで大か小かもわかってしまう避難所がある。恥ずかしいのに、わがままは言えないと我慢している。避難所の運営責任者は多くが男性だが、女性が自分でこれが必要だと言える環境づくりが必要」などと述べ「多くの報道関係者にも加わってもらい、問題を共有して報道してほしい」と呼びかけた。

 神本美恵子参議院議員(民主)は「ジェンダーの視点を持たずに現地に入った人もいるかと思う。こういうネットワークはとても必要。政府に対してジェンダーの視点が足りないと要求していく」、福島選出の金子恵美参議院議員(民主)は「地元に行ったら女の人に声をかけてもらったのは初めてと言われた。女性のニーズをゆっくり聞く人間がいない。ジェンダーの視点が普段の生活でもあれば非常時にもその視点があったはず。今後はそういう視点のある社会づくりをしていきたい」などと話し、連携と協力の姿勢を見せた。

(宮本有紀・編集部、6月3日号)