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ろくでなし子さんの控訴審、東京高裁も「一部無罪」に

2017年5月11日1:51PM

高裁判決後、記者会見するろくでなし子さん(中央)。東京・千代田区。(撮影/本誌取材班)

自らの女性器の3DデータがダウンロードできるURLを支援者に送ったなどとして、わいせつ電磁的記録等送信頒布などの罪に問われている漫画家・アーティストのろくでなし子さん。彼女の控訴審判決が4月13日、東京高裁(裁判長=秋吉淳一郎、裁判長代読=大熊一之)で言い渡された。東京地裁の判決が支持され、高裁も「一部無罪」となった。

一審に続き無罪となったのは、ろくでなし子さんが数多く作ったデコまん(まんこの型をデコレーションした)などを陳列したわいせつ物陳列罪。高裁では「芸術性、思想性を考慮するまでもなくワイセツとは言えない」と指摘された。

一方、冒頭のわいせつ電磁的記録等送信頒布に加え、3Dデータの入ったCD-Rを頒布したというわいせつ電磁的記録記録媒体頒布の罪は有罪のままだ。「一般論としてプロジェクトアートという分野が存在するとしても、結局、資金集めの方策としてデータを頒布しているので芸術活動の一環として正当化されない」(高裁)とされた。

ろくでなし子さんは判決後の会見で、「女性器はワイセツではないという信念のもと、活動してきているので、判決には不服のままだ」と述べた。このため、弁護団は即日上告した。

なお、ろくでなし子さんが自身の逮捕、勾留を描いた『ワイセツって何ですか?』(金曜日刊)は英語版が刊行されている。その英語版が『ロサンゼルス・タイムズ』の賞にノミネートされている。海外と日本との評価の差はいつまで続くのだろうか。

(本誌取材班、4月21日号)

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