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「綺麗なヘイト」増加に危機感

5月23日、東京・新宿にて。左から木瀬貴吉さん、木村元彦さん、清水檀さん。(写真/福田優美)

5月23日、東京・新宿にて。左から木瀬貴吉さん、木村元彦さん、清水檀さん。(写真/福田優美)

5月23日、東京・新宿ネイキッド・ロフトで『さらば、ヘイト本! 嫌韓反中本ブームの裏側』(ころから刊、大泉実成・加藤直樹・木村元彦著)の出版記念イベントが行なわれた。登壇者はころから代表の木瀬貴吉さん、著者の一人である木村元彦さん、「よりみちパン!セ」シリーズなどの編集者・清水檀さん。本書では、2013~14年にかけて急増した民族差別や排外主義思想を煽る本を「ヘイト本」と呼び、増加要因を追求しながら、それを量産するに至った活字界のカラクリを掘り下げている。

登壇者たちはヘイト本のブームは最盛期を越えたとしつつも、今後の問題として、事実を捻じ曲げた上で差別を扇動するようなあからさまなヘイトは減るものの、一見、学術的に裏付けられたようで実はナショナリズムを煽る、いわば「綺麗なヘイト」は増えるのではないかと、危機感を募らせた。

現に、本書で紹介されているヘイト本の中には、都合の良い事実だけを巧みに拾い上げ、虚偽や誇張なしに韓国・中国に反感を持たせるよう誘導するものもある。こうした本には、これまでのヘイト本には関心を示さなかった知識層を取り入れる可能性がある。今後、読者は発信者の意図的な情報に振り回されないよう、リテラシーを高めることが一層求められるだろう。

(福田優美・フリーライター、6月5日号)