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『文藝春秋』と塩野七生氏に――wamが公開質問状

日本軍「慰安婦」問題の実態について各国の証言・資料を収集し公開している「女たちの戦争と平和資料館」(wam)は4日、『文藝春秋』編集部と作家の塩野七生氏に対し、公開質問状を提出した。

これは同誌10月号で塩野氏が、「朝日新聞の“告白”を越えて――『慰安婦大誤報』日本の危機を回避するための提言」と題した記事中で「オランダ人の女も慰安婦にされたなどという話が広まろうものなら、日本にとっては大変なことになる」と執筆しているため。

同誌編集部に対するwam側の質問状では、旧オランダ領インドネシアで、戦時中に日本軍が現地オランダ人女性を強制的に拉致し、集団強かん・暴行した歴史的事実について説明した上で、(1)そうした事実を知らなかったのか、(2)記事掲載前に下調べをしなかったのか、(3)知っていたなら、修正もせず掲載した真意は何か――などについて回答するよう要求している。

また塩野氏に対しては、「1990年代の初めにはオランダ人の『慰安婦』被害者が名乗り出て、日本政府を訴える裁判を起こした女性もいた」事実を知っているか否かについて、回答を求めている。

一方、オランダのティマーマンス外相は3日、同国での日本メディアとの記者会見で、オランダ人女性「慰安婦」について「強制売春そのものであることに何の疑いもない」と発言。さらに「実際に経験したオランダ国民やその子孫にとっては、今なお痛みを伴う」(『朝日』5日付)と指摘した。

『朝日新聞』による吉田清治氏「証言」の報道撤回後、安倍晋三首相が「『慰安婦』を強制連行した証拠はない」「日本兵が人さらいのように『慰安婦』にしたとの記事が世界中で事実と思われている」などと述べ、自民党内でも「河野談話」撤回の動きが出ていることへの牽制だろう。「慰安婦」の史実を無視しようとする歴史修正主義者らの姿勢が問われている。

(成澤宗男・編集部、10月10日号)