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日本学生支援機構の利息収入は232億円――奨学金はサラ金よりも悪質

若者に苦境を強いる奨学金の実情を知ってほしい――。反貧困全国キャラバン2013のシンポジウム「奨学金 何が問題なのか?」が一一月四日、神戸市で開かれ、同問題に詳しい中京大学の大内裕和教授が実情を紹介した。

「成績優秀者などで無利子に貸与される第一種より、多くは利息付きの第二種。たとえば、毎月一〇万円借りれば利率三%で返還総額は六四六万円。毎月二万七〇〇〇円となり完済まで二〇年かかる。非正規労働にしか就けない若者に返せるわけがない。返済の順が延滞金、利子、元金なのでいつまでたっても元金が返還できない」と指摘。「ともに奨学金を借りていた大卒の二人が結婚すれば夫妻で一三〇〇万円近い借金を抱えることすらある」と話した。

 また、「年配の人があまりにも実情を知らない。いまだに『それなら国立大学に行けばいい』などと言ったりする。子どもの教育を母親任せにする日本では、これだけ重要なことをお父さんが知らないことも多い」とも指摘した。

 若者をとりまく惨状について大内教授は「一九八四年の中曽根政権での日本育英会法改正で有利子制度導入後、橋本政権で無利子枠を拡大、小泉政権で日本育英会を日本学生支援機構にした。奨学金制度の悪化はここ数年で激変し、新自由主義の深まりと同時進行」とした。元高校教師で大学へ通った息子が奨学金を借りたという新原三恵子さんは「実際はローンなのに奨学金という名前で勘違いさせられている。こんな実態を高校教師すらよく知らない」と話した。

 聖学院大学の柴田武男教授は「学生支援機構はサラ金よりも悪質とも言えるが、日本育英会が母体で国民が信用してしまっている」と指摘した。二〇一〇年の利息収入は二三二億円、延滞料三七億円。金の行き先は原資に無関係な銀行と債権回収会社なのだ。奨学金制度の闇をあぶり出すときだ。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、11月8日号)