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今週の憲法審査会――96条改憲先行論、与党内でも動揺

2013年6月7日5:38PM

 五月九日の衆議院憲法審査会は、テーマがいま焦点の第九章(九六条)。傍聴者も超満員。驚いたことに、いつも空席ばかりの自民党委員席がけっこう埋まっている(やればできるじゃん!=筆者)。

 各党代表の発言では、自民、維新が九六条先行改憲を主張、みんなの党は条件付き賛成。民主、公明は九六条先行に慎重論、共産と生活は反対。

 自民党の船田元筆頭幹事は個人の思いと断りながら「国民の多くは改正のための改正と受けとるきらいがある。理想を言えば九六条とたとえば環境権を加えるなど、幾つかの改正項目をセットにして発議することが望ましい」と九六条先行論に疑問を呈した。

 しかし、同じ自民党の中谷元幹事は「国会で三分の二の議決を採用している国は多いが、これを温存すれば、改憲は半永久的に実現しない。改革に慎重で、現状維持を好む日本人の特性だ(えっ!?=筆者)。現実論として改正要件を緩めるしかない」と強調。

 公明党の斉藤鉄夫幹事は「九六条先行論は賛成できない。内容と一緒に議論すべき」と慎重。みんなの党の畠中光成委員は「統治機構の改革の約束なしに九六条先行改憲に同調しない」と条件を付けた。

 共産党の笠井亮委員は「自民党の石破茂氏は九条改憲を念頭に置けと言っている。九六条改憲先行論は国民を愚弄するもの」と指摘した。

(高田健・許すな!憲法改悪・市民連絡会、5月17日号)

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