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関電支社を訪問した市民が「建造物侵入」容疑――「運動つぶし」が目的か

取り調べのため愛知県警東警察署に入る木村穣さんら。(撮影/竹内一晴)

 関西電力大飯原子力発電所の再稼働に反対する抗議行動に「不当な圧力」が加わっている。

 関電東海支社(愛知県名古屋市)を訪問しただけの市民二人が「建造物侵入」の容疑で一〇月二九日以降、何度も愛知県警東警察署から出頭要請を受けていたことが明らかになった。この「訪問」は五月二五日の出来事であり、捜査の必要性も含め疑問の声が巻き起こっている。

 関電東海支社前では東京の首相官邸前での行動に呼応し、今年五月から毎週金曜日夕刻に市民による抗議が繰り広げられている。

 五月二五日に抗議行動の様子を見にきた木村穣さん(非参加者)は興味本位で関電支社を訪問しようと同支社が入居するビルに入ろうとした。警備員に用件を聞かれ、木村さんは「受付に用事がある」と言って、関電株主(祖父から譲受した五〇〇株を所有)だと告げると警備員は引き下がった(担当弁護士によれば警察は「制止を振り切った」との見方)。Aさん(抗議行動に参加する女性)と支社のある階まで行くと受付は閉鎖。職員から閉店していると告げられた木村さんは、トイレを借りたのち、Aさんと退去した。

 一方で、被害届を提出した関電グループ企業、関西電力不動産東海支店の担当者は「当社としてはビルを安全に管理する責任がある。二人は当社の規定に違反する行為があった。今後は入ってほしくないので(時間がだいぶ経過したが)被害届を出した」と言う。

 事件後、五カ月以上もたって捜査が始まったのは実に奇異なことだ。担当の東署警備課長も現場に居合わせたというが「現行犯逮捕」は行なわれなかった。そもそも、株主の一人が会社を訪問しただけで「建造物侵入」としている点など異常さが際立つ。

 一〇月五日に関電本店前で起きた不当逮捕事件と同様に「運動つぶし」の意図が濃厚だ。

(竹内一晴・ライター、12月7日号)