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原発事故後のテレビ会議録画――東電「名ばかり公開」

「こんな名ばかり公開を『東京電力が画像を公開』と報道した報道機関もある」と七月三〇日に行なった緊急会見で語ったのは、東電株主代表訴訟の原告と弁護士だ。同原告団は同日、枝野幸男経済産業大臣に公開対象期間の拡大、DVDによる録画提供、限定公開の条件の撤廃を要請した。

 七月二七日、東電は福島第一原発事故後に撮ったテレビ会議画像を公開すると発表。しかし「名ばかり公開だ」との批判が大きい。とにかく、条件がひどい。知る権利に制限を加え、報道機関をあざ笑うかのような「公開」である。

 公開対象は、三月一一~一五日まで本店が録画した五〇時間分(音声あり)と福島第二原発で録画された一〇〇時間分(音声なし)の計一五〇時間分に限定。これを当初は八月六~一〇日のうち三〇時間で報道機関に対してのみ本店一階視聴室で公開するとしたが、批判を受け期間を拡大する方針を示した。東電が用意したパソコンとイヤホンの使用のみを許可し、録音録画機器の持ち込みと携帯電話使用は禁止。その報道も禁止し、報道素材は別途提供。この条件に違反すれば今後の東電会見への参加はお断り――。これらの条件に同意する東電に従順な報道機関だけに入室を許可するという“踏み絵つき”公開である。

 枝野大臣も問題視し、三〇日朝、東電に対し、(1)求める者による全画像の閲覧と公開期間の確保(2)公開対象や手法に関する報道関係者の意見を踏まえた対応(3)裁判で求められる証拠保全を鑑み、画像映像を処分しないよう指示した。

 しかし、わが国には昨年施行された公文書管理法がある。歴史的に重要な記録は民間情報でも「公文書」として国立公文書館に提供し、国民の利用を可能にする法律である。法に基づく個人情報の保護が行なわれ、東電による恣意的な情報隠しを避けることも可能だ。同日夕方の会見でこの点を相澤善吾東電副社長に尋ねると「詳細に勉強させていただき検討させていただきたい」と回答した。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、8月3日号)