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異常数値が出る子どもを放置――山下氏の指示を黙認する政府に怒号

「誰のために仕事をしているのか」と、政府側に怒りを向ける福島からの避難者。(撮影/田中龍作)

「放射能を年間一〇〇ミリシーベルト浴びても安全」などと、数々の問題発言を繰り返して福島県民の不信を買っている「県民健康管理調査」検討委員会の山下俊一座長が、子どもの甲状腺再検査を封じている問題で六月一日、衆院議員会館内で政府交渉が開かれた。

 県ではこれまで、一八歳以下の県民三万八一一四人の甲状腺検査を実施したが、うち三五・三%にあたる一万三四六〇人に五ミリ以下の結節や二〇ミリ以下の嚢胞が認められた。さらに五・一ミリ以上の結節や二〇・一ミリ以上の嚢胞が認められたのは一八六人に上り、二次検査の対象となった。

 ところが山下座長は今年一月、日本甲状腺学会会員に対し、この一万三四六〇人は「細胞診などの精査や治療の対象とならない」という理由で、事実上次の二年半後の検査まで保護者の追加検査の要求には応じないよう指示した。

 このため県内では、「なぜ二年半もの間、成長期の子どもの検査を求めないのか」といった批判が出ている。これを受け、環境団体FoE Japanなど市民団体が中心となり、政府の原子力災害対策本部生活支援チームの医療班員を招いて交渉することになった。

 交渉には、福島からの避難者ら三〇〇人が参加。席上、市民側が「異常が出ること自体おかしいのに、なぜ一万三四六〇人もの子どもたちを『異常なし』とし、経過観察もないまま二年半も放置するのか」「山下座長のセカンドオピニオンを封じるような指示は撤回させるべきだ」など、一八項目に上る質問や意見を突き付けた。

 これに対し政府側は、「国として答える立場にない」「専門的なところは県の検討委員会で進めている」といった回答に終始。山下座長の行為についても無視を決め込んだ。このため、会場から「無責任だ」「子どもの命がどうなってもいいのか」といった怒号が飛び、一時騒然となる場面もあった。

(成澤宗男・編集部、6月8日号)