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大阪府「教育基本条例」を正面批判の特集掲載――『福音と世界』が橋下氏を問題視

2012年5月29日5:52PM

新自由主義による「弱さ」の排除を問題視する『福音と世界』。(撮影/編集部)

 プロテスタント系牧師などを主な読者とする月刊誌『福音と世界』(新教出版社)が、五月号で大阪府の「教育基本条例」を正面から批判する特集を組んだ。

 特集の巻頭では、広く社会を揺るがした同条例について〈「子どものため」という名の下、「子どもの思想を統制したい」という特定の大人の思惑が見え隠れする〉と問題提起。日本バプテスト連盟堺キリスト教会の平良仁志牧師は、「教育基本条例および職員基本条例案の撤回を求めます」との声明を同連盟が総会で採択したことを紹介し、次のように批判する。

〈君が代は「天皇教」の賛美歌のようなもの、日の丸は「天皇教」のシンボルマークである。その天皇教は戦前「軍国主義」と密接不可分の関係にあった。真の神だけを神とし、「平和をつくり出す人たちはさいわいである」と言われた主イエスに従おうとする自覚的キリスト者であれば、君が代の伴奏や斉唱などとても耐えられない〉〈信教の自由、思想良心の自由は、全ての自由、全ての人権や平和を守る防波堤である。防波堤は小さな穴から崩れる。だから、防波堤の穴は、たとえ針のように小さくても、気づいた者が警鐘を鳴らし続け、修復せねばならない〉

 さらに同志社香里中学校・高等学校聖書科教員の富田正樹さんは橋下徹・大阪府知事(当時)の政策で〈府内の全ての私学が経営危機に陥り、教員の労働強化やリストラといった形で対応せざるを得なかった〉実情を紹介している。

 同誌編集長の倉田夏樹さんは「橋下氏の新自由主義的な政策が教育や貧困の問題に及ぼす影響をきちんと精査し、批判する必要があります。発行部数は二二〇〇部(実数)で、最近はカトリック信徒や非信徒の読者も増えています。五月号は関西を中心に大好評でした。今後、思想・信教の自由を侵す動きがあれば、断固抵抗したい」と話している。

(伊田浩之・編集部、5月18日号)

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