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コスト削減が引き起こす強盗被害――「すき家」は過酷な労働体系を見直せ

 牛丼チェーン店への強盗事件のうち、九割を占めている「すき家」(今年一月~一〇月までの集計)。そのすき家を経営するゼンショーに対し、警察庁はこのほど、防犯体制の改善を要請した。

 すき家は時間当たりの売上げに応じて店員数が定められているため、売上げの少ない深夜帯は従業員が一人となる店舗が多い。このことが他の牛丼チェーン店に比べ、すき家への強盗事件が激増している原因となってきた。

 また労働基準法は労働時間に応じた休憩時間を定めているが、すき家では深夜六時間超の連続勤務でも代わりの要員がいないため、一分たりとも休憩が取れないことが常態化している。ゼンショーはこれについて、「従業員は客が少なくなったときに適宜休んでいる」と主張するが、手待ち時間にも清掃や食材の管理など細かく業務内容が定められている。完全に業務から解放されることはなく、休憩時間を与えているとは到底言えない。ゼンショーは、深夜の一人勤務は明らかな労基法違反であることを自覚すべきである。

 仙台泉店(宮城県)のアルバイト従業員で首都圏青年ユニオンに加入している福岡淳子さんらは、組合に加入した二〇〇六年以降深夜の一人勤務解消を求めてきた。

福岡さんらの声に耳を傾けていれば、頻発する強盗事件を早期に防げたはずだ。

 警察庁の要請によって、ゼンショーは順次深夜の業務体制を改める方針を示しているが、ただちに全店で複数体制をとるべきだ。

 また、複数体制にするだけでは足りず、法定の休憩時間(八時間超なら六〇分以上)を与えなければ労基法違反は解消されない。すき家の他にも「なか卯」や「ココス」、「華屋与兵衛」など有名チェーンを抱える外食大手ゼンショーには、業界トップとして、社会的責任を果たす責務がある。

(大山勇一・すき家事件弁護団、10月21日号)