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児童ポルノ禁止法改正のゆくえ――表現規制危惧する院内集会

2011年9月16日4:57PM

「(個人情報保護法の成立など)表現規制がここ一〇年で積み重なってきた。自公政権下の動きと必ずしも同じではないが、民主党も表現・メディア規制をやめようという流れにはなっていない」――児童ポルノ禁止法改正を考える院内集会(コンテンツ文化研究会主催)が八月二五日、東京・永田町の参議院議員会館で約七〇人が参加して開かれ、上智大学の田島泰彦教授が問題点を指摘した。

 同禁止法改正案は、自民・公明案と民主案が国会に提出されたが、八月三一日の閉会に伴い成立しなかった。だが、今後も改正を目指す動きは続きそうだ。自民・公明案は、単純所持罪の導入や、漫画など創作物規制の調査研究規定を盛り込んでおり、民主案も定義に主観的要件を伴っている。

 日本インターネットプロバイダー協会の立石聡明副会長は、過剰なブロッキングによってインターネット利用者の知る権利を侵害する可能性について言及。実例として、英国で児童ポルノにあたるアルバムのジャケット写真をブロックしようとして、インターネット上の辞書「ウィキペディア」すべてが見えなくなったことを説明したほか、権力者側にとって不都合な情報をネット上から消す(見えなくする)ことも簡単にできると、危険性を指摘した。

 別の同協会メンバーは、「非公開でブロッキングの議論をすると、警察庁などが暴走しかねない。インターネット上の流言飛語について、関係省庁が実態を把握した上で、サイト管理者等に対して、法令や公序良俗に反する情報の自主的な削除を含め適切な対応をとることを要請されたときも、要請内容を公開するといったら抑制的になった」と説明した。

(伊田浩之・編集部、9月2日号)

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