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NHK「クローズアップ現代+」「韓国少女像」番組――偏向報道という指摘に制作者が回答

韓国の〈平和の少女像〉と日韓「合意」を扱ったNHK「クローズアップ現代+」の「韓国 過熱する“少女像”問題~初めて語った元慰安婦」(1月24日放映)は、番組の核心問題について事実をねじ曲げ、それによって印象操作する内容だった。これに対し、さまざまな抗議の声が上がっている。

1月31日には日本軍「慰安婦」問題解決全国行動(全国行動)がNHK宛に公開質問状を送付。2月8日付のNHKの回答は、「多角的に取材し事実に基づいて報じた」「客観的かつ公平」だというものだった。

だが、2月2日の偏向報道抗議記者会見におけるファクト・チェックだけをみても、映像誤用など決定的な問題がある。番組は、日韓「合意」による「支援金」を受け取った当事者らが「口を閉ざす背景には、日本からの支援を受けたことで、厳しい世論にさらされた過去」があるとし、「アジア女性基金」をあげる。そこで流れるデモ映像には、「韓国では、支給を受けた一部の元慰安婦たちが痛烈な批判にさらされました」というナレーションがつく。

しかし、Fight for Justice「慰安婦」問題サイト関係者の調べで、同基金の「償い金」支給は1997年1月で、映像は半年前のものと判明。一方、「合意」に反対し「支援金」を拒否する当事者の声は一つも出てこない。また、「当事者の思いとは異なる形で少女像が設置」と断定し、「少女像撤去は自分を殺すこと」と来日して語った当事者の声などは一つも出てこない。

さらに超保守派の韓国経済新聞1紙のみを「冷静」として取り上げ、多くの韓国メディアを「極端」だという保守論客の発言を紹介。この人物は、最近、朴槿恵大統領単独インタビューを公開し批判をあびた。ちなみに番組には、安倍政権の姿勢への検証は一切出てこない。これが「多角的に取材」「公平」な報道か。

引き続き、会見参加者らによるBPO(放送倫理・番組向上機構)申立て、「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」によるNHKへの質問状等も予定されている。問題はNHKだけではない。こうした官製報道を日本のマスコミが黙認していることが事態の深刻さを表している。

(岡本有佳・編集者、2月24日号)