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東京・武蔵野市の住民投票条例案が否決
公明党が反対した理由とは

佐藤和雄|2021年12月24日7:58PM

本会議での否決後に記者会見する松下玲子武蔵野市長。(同市長のツイッターから)

 

 市内に3カ月以上住み、18歳以上であれば外国籍であっても投票できるとして、全国的に注目を集めた東京・武蔵野市の住民投票条例案は12月21日の同市議会本会議(定数26)で反対14、賛成11で否決された。外国人への参政権付与に強固に反対している自民党が条例案について「広義の参政権」にあたるとして反対したほか、先の衆院選で「永住外国人への地方参政権の付与を実現」を公約に掲げた公明党も「市民の理解が深まっていない」ことなどを理由に挙げて反対に回った。


 条例案に賛成した会派は、立憲民主ネット(5人)、日本共産党武蔵野市議団(2人)、自治と共生(2人)のほか、会派に属さない桜井夏来氏と山本ひとみ氏の2人。
 反対したのは、自由民主・市民クラブ(7人)、市議会公明党(3人)、ワクワクはたらく(2人)のほか、会派に属さない品川春美氏と下田ひろき氏の2人。自由民主・市民クラブの土屋美恵子氏は議長のため採決には加わっていない。


 武蔵野市が2021年3月に実施した市民アンケートでは、外国籍住民も日本人と同じ投票資格とする案について73%の市民が賛意を示した。一方、自民党国会議員の保守系グループが「外国人に対し参政権に準ずる国民としての権利を安易に認めようとするものだ」と反対を表明。こうした動きにも押される形で、市議会では「市民の理解不足」を理由に挙げた反対論が強まっていた。


 21日の本会議では、市議会公明党の落合勝利代表は、「(公明党は)外国籍市民の地方参政権を認めることを主張してきた。ただし、さまざまな課題があることを認識する中、永住外国人への付与という一定の要件を示したうえで広く国民の理解を得ていく取り組みを重視している。今回の要件は、やはり市民の理解が深まっていないものと受け止めている」と反対理由を述べた。
 松下玲子市長は否決後に記者会見し「議会や市民の意見を聞きながら、再度考えたい」と述べ、内容を見直す考えを示した。


(佐藤和雄・編集部、オンライン限定配信)

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