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自民党総裁選、コロナ対策理由にフリー記者の取材締め出し

畠山理仁|2021年10月13日7:43PM

「国民の声を聞く」が呆れる広報対応の自民党本部。(撮影/畠山理仁)

自民党総裁選挙は9月17日告示・29日投開票の日程で行なわれた。投票できるのは約110万人の自民党の党員・党友、国会議員だけだったが、事実上の「次期首相を決める選挙」とばかりに各メディアは連日大きく取り上げた。

しかし、その裏では「感染症予防」を理由に、現場取材できる記者の制限や選別が行なわれていた。

フリーランスの記者である筆者が9月14日に告示日当日の取材を申し込むと、自民党広報本部報道局からこう告げられた。

「感染症予防のため、記者クラブと代表取材の方に限定させていただきます。当日はYouTubeなどでご覧ください」

共同記者会見の会場に入れる記者は、自民党の記者クラブ「平河クラブ」の記者と外国プレスの代表のみ。質問できるのは平河クラブの記者に限られていた。

この対応は投開票日になっても変化がなく、フリーランスの記者は現場取材から締め出された。

実は投開票日の前日、フリーランス記者たちの活動を支援する公益社団法人・日本ジャーナリスト協会が「代表カメラと代表取材記者の参加」を求めて自民党に要望書を送っている。同協会は日本に三つしかないジャーナリストのための公益法人の一つだ。しかし、自民党は同協会からの要望に応じず、信じられない対応をした。

「要望書をファクスで送信後、自民党本部に3回電話をしました。ところが協会の名前を告げた途端、こちらが用件を言う前に『知りません』『わかりません』と言われて何度も電話を保留されました。担当者が戻ると言われた時間にかけ直しても不在。最後にかけた時は『担当者は帰りました』という返事でした」(同協会事務局)

新総裁に選出された岸田文雄氏は「国民の声を聞く」「自民党は生まれ変わった」と言った。その言葉が本物かどうかは、今後の取材対応で判明するはずだ。

(畠山理仁・フリーランスライター、2021年10月8日号)

 

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