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映画『標的』にJCJ賞 
植村バッシングと闘った記者や市民の連帯 

文聖姫|2021年9月15日7:33PM

JCJ賞を受賞した映画『標的』の西嶋真司監督。

歴史修正主義者からのバッシングと闘った記者と市民の連帯を追った記録映画『標的』(西嶋真司監督)が第64回JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞した。JCJは1958年に同賞を設けて以来、年間の優れたジャーナリズム活動や作品を表彰してきた。

『標的』は、91年に『朝日新聞』記者だった植村隆・本誌発行人が書いた元「慰安婦」の記事に対して「捏造」などとする誹謗中傷がなされ、家族も脅迫されるなど大きな被害を受けた事実を基に、バッシングに怯まなかった記者と日本のジャーナリズムを守ろうと立ち上がった弁護士や市民を描いた。植村氏は中傷した人物らを名誉毀損で訴え、敗訴したものの、中傷した側が「捏造」ともいえる事実の改変をしていたことを裁判で明らかにした。

西嶋氏は元RKB毎日放送ディレクター。「植村バッシング」問題でドキュメンタリー番組を作ろうとしたが、企画が通らなかったために退社し、独立してこの映画を制作。費用はクラウドファンディングで募った。

西嶋氏は「不都合な報道に対して圧力をかけようとする国家権力に堂々と立ち向かった人々の勇気が評価され、今回の受賞に繋がったものだと思う」とコメントした。

他の受賞作品は以下のとおり。

◆JCJ大賞
・『信濃毎日新聞』キャンペーン連載「五色のメビウス ともにはたらき ともにいきる」
・平野雄吾『ルポ 入管――絶望の外国人収容施設』(ちくま新書)

◆JCJ賞
・『しんぶん赤旗』 菅義偉首相による日本学術会議への人事介入スクープとキャンペーン
・NHK・ETV特集「原発事故“最悪のシナリオ”~そのとき誰が命を懸けるのか~」

◆JCJ特別賞
・俵義文 日本の教科書と教育を守り続けた活動

(文聖姫・編集部、2021年9月10日号)

 

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