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BTSをビルボード1位に押し上げたARMYの力

ランディ・ソー|2020年10月22日5:39PM

ソウル市公式観光情報サイトよりキャプチャー。

【「思い」は重要なコンテンツ】

BTSは貪欲だった。アイドルとしても、アーティストとしても、100%の完成度を目指してきた。彼らは才気あふれるステージパフォーマンスや華麗なダンス、目を奪うミュージックビデオ、絶え間ないアルバム制作活動など、いわゆる「成功するアイドル」の美徳をすべて取り揃えた。この時代ならではのSNSを通じたコミュニケーションやユーチューブの動画コンテンツづくりにも熱心だった。同時に彼らは「ヒップホップアイドル」として、大衆がアイドルには求めていない部分、たとえばラップや作詞・作曲にも真剣に取り組んできた。

彼らがデビューした13年当時、「ヒップホップアイドル」というタイトルはヒップホップファンと既存のアイドルファンの両方に抵抗を呼び起こした。ヒップホップの場合、1990年代の米国本土でロックと対比され、商業音楽として散々批判されたため、韓国に輸入される過程では、この点に対する警戒がひときわ大きかった。時間の経過とともに、このような傾向はジャンル的特性を「本気度」と「マッチョイズム」に求めようとした。そのためか、ヒップホップの分野に大資本や若い女性ファンを狙ったアイドルが参入することを極度に嫌う人が多かった。

既存のアイドルファンも、3大芸能事務所〔SMエンターテインメント、JYPエンターテインメント、YGエンターテインメント〕の歌手を中心に様式を定めていくこのジャンルに、新しい要素を加味しようとするBTSをなかなか受け入れようとしなかった。専業作曲家が創ったトレンディな音楽や、それと一体になった最上のパフォーマンスなどの基準のなかで、すでに競合を繰り広げていたのだが、BTSはここに「ヒップホップらしく自分の思いを歌詞に込める」という新しい基準を付け加えようとしたのである。

ヒップホップグループとしての正当性に欠けると決めつけられた以上、彼らは少なくとも自分たちが創る音楽だけは自分たちに正直なヒップホップの姿勢を守ろうとした。彼ら自身の心から生み出された「思い」は、BTSのコンテンツの重要な一部だった。自分で創ったからこそ、過ちを認めながら発展することも可能となったことは言うまでもない。

プロダクションの企画の産物であるアイドルではあっても、自我の一部を取り入れた音楽とステージを披露することで、彼らは音楽家として成長する動機を得たのだ。このようなスタイルが、BTSを既存のアイドルという枠組み以上の存在へと成長させたのである。この荷の重いミッションを遂行するためにはチームワークが一層重要となり、チーム内の信頼関係は時間とともにより厚くなった。ARMYたちのなかには、このような面に魅了された人が多い。

※BTSとARMYの絆、ARMYがいかにしてBTSをビルボード1位に押し上げたのか? 全文記事は10月23日発売の『週刊金曜日』10月23日号に掲載される。

(ランディ・ソー・大衆音楽評論家、原文は韓国語。翻訳/米津篤八、2020年10月23日号)

 

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