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新型コロナ、補償から排除される「ナイト産業」の人びと

神原里佳|2020年6月27日2:27PM

家も車も担保に店を畳むに畳めない

昼夜問わず賑わっていた中洲歓楽街も、3月中旬以降は閑散としている。(撮影/神原里佳)

福岡市は5月15日、緊急事態宣言の解除に伴い、民間業者への休業要請も解除したが、中洲の明かりは依然として消えたままだ。ある風俗店の幹部スタッフは「例年であれば5月は博多どんたくもあり、入店待ちの客が出るほどの書き入れ時なのに、今年の売り上げは3分の1以下。店の女の子も収入が減り、スマホ代さえ払えない子も出てきた。集客を頑張りたいが、中洲の客はほとんどが出張者や観光客。緊急事態宣言が解除されてもすぐに客足が戻ることは期待できない」と肩を落とす。

福岡市は独自支援策として、店舗の家賃補助を実施しているが、上限は50万円。性風俗店の多くは店舗の月額賃料が150~200万円近くと高額のため、前述の幹部は「足しにもならない」とため息をつく。

別の風俗店のオーナーは「客がゼロの日もあり、170万円の家賃を4月以降払えていない。車や自宅も担保に入れ、待ってもらっている状態。金融機関の融資も受けられず、いっそ閉店をとも考えるが、賃貸の解約にも家賃3カ月分の支払いが必要。畳むに畳めず八方塞がりだ」とうなだれる。

この店ではコンパニオンの女性5人中2人が辞めた。1人は転職先を探しているが求人がなく、もう1人はマスクを仕入れて販売しようとしたが、マスクが値崩れし、売れなくなって自宅に数百箱の在庫が山積みになっているという。

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