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「ネット・ゲーム依存症」を正しく知ろう 
医師や当事者らが語り合う

秋山晴康|2020年5月7日5:17PM

“ネット・ゲーム依存症”について語る松崎尊信医師。(撮影/秋山晴康)

東京都豊島区を拠点とする地域活動団体「としま若者応援ネットワーク」(嘉津山具子代表)は3月15日、「“ネット・ゲーム依存症”について家族・支援者に正しく知って欲しい、いくつかのこと」と題したセミナーを開催した。

講師は、久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の松﨑尊信精神科医長で、同医療センターの臨床経験から、ゲーム障害に伴う問題として、「朝、起床できない」「ひきこもり」「食事をとらない」「成績低下」「家族のお金を盗む・カード無断使用」「過剰な課金」などを挙げた。さらに「睡眠障害」や「うつ状態」などのこころの問題が懸念され、からだの問題として「体力低下」「視力低下」「腰痛」などにつながることを指摘した。また、同医療センターが全国の10~29歳を対象に2019年1月~3月に行なった「ネット・ゲーム使用と生活習慣」のアンケート結果(5096人が回答)についても紹介した。

ゲーム依存の予防について、松﨑医師は「子どもがスマホを使い始める時に、まず大人がやるべきことはルールの設定で、小中高と学年が上がるに従ってルール設定が難しくなるので、やるなら早いほうがいい。大人自身も子どもが利用するIT機器やゲームについて、ある程度は知っている必要がある。ゲーム以外の楽しい活動を一緒に見つけたり、記録をつけて話し合ったりすることが大事」と強調した。

会場には、子どものゲーム障害に伴う不登校やひきこもりなどに悩む親も多数参加。「原因がわからなくてひきこもっていた」といったゲーム障害の当事者による体験談も語られた。

会の主催者の一人で、司会進行を務めた大橋史信さんは、「なぜという原因探しをしても意味がない。ゲーム障害にどう前向きに取り組むかということを、いろんな情報を得ることで学んだり、知ったりすることが大切だと思う」と語った。

(秋山晴康・編集部、2020年4月10日号)

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