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個人情報流出多発のマイナンバー制度に合憲判決 
横浜地裁

小石勝朗|2019年10月21日8:55PM

横浜地裁の判決後、支援者らに「請求棄却」を知らせる弁護士。(撮影/小石勝朗)

マイナンバー制度は憲法13条が保障するプライバシー権を侵害するとして、神奈川県などに住む230人が国に対し自分の個人番号の利用差し止めや削除などを求めた訴訟で、横浜地裁(関口剛弘裁判長)は9月26日、制度を合憲と認め請求を棄却する判決を言い渡した。マイナンバー制度の憲法判断は初めて。原告は控訴する。

この訴訟で、原告弁護団は「違法再委託」で233万件を超えるマイナンバー(個人番号)が不正流出した事例を詳細に示すなどして、制度に「具体的な危険」があることの立証に注力した(本誌9月20日号で詳報)。

判決もこうした漏洩事案が多発していることは認め、「安全措置によっても個人番号の漏洩を完全に防ぐことが困難」と述べざるを得なかった。

ところが、判決はここから独自の論理を展開する。

まず「個人番号は、それ自体としてはプライバシーに関する情報を含んでいない」と強調する。続いて、個人情報流出は「番号制度の運用開始以前においても発生していた」と理屈を付け、「番号制度の不備によって発生したと言うことはできない」と言い切った。

また、「法律上、個人番号のみで本人確認をすることは想定されておらず、個人番号を知っているだけでは第三者が本人になりすますことはできない」ことなどを根拠にして、「流出した個人番号を共通の鍵として、本人の他の個人情報を名寄せ、突合される危険性があると言うことはできない」と決めつけてしまった。

そして、マイナンバー制度によってプライバシー権を侵害する「具体的な危険が生じているとまでは言えない」との判断を下し、制度が「違憲であると言うことはできない」と結論づけた。

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