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元日本郵便副会長が古巣を批判 
「郵政民営化」を見直せ

堀本秀生|2019年9月20日6:39PM

8月16日の講演会で話す稲村公望さん(中央)。(撮影/高橋敏男)

かつて郵政省(現総務省)官僚の立場で郵政民営化に反対し、霞ヶ関を追われた稲村公望さん(元日本郵便副会長)を招いた講演会「あの民営化から12年―郵政民営化の真実」が8月16日にさいたま市で開かれた。会場はほぼ満員。講演は参加者が稲村さんに質問する形で進められた。

「民営化反対の立場になるきっかけは?」との質問に稲村さんは、「一つは郵便の国際会議で民営化推進の説得工作を行なう専従者を知ったからです」と回答。さらに、「日本の郵便事業は明治初めの1871年に前島密(当時の民部省・大蔵省官僚)が米国・西欧列強から日本の利益を守るために篤志家と協力して創設しました。『郵』は『辺地』の意味。4年後に『郵便貯金』、1916年に『簡易保険』が生まれました。この世界最大規模の国民資産を当時の小泉政権は『官から民へ』の題目で有効に使おうとしましたが、これは資産を外国へ投機的に持ち出し、利益を海外移転させる目論見だと私は思ったからです」と述べた。

他の参加者から「民営化賛成。税金を投じる郵便事業は廃止しヤマト運輸などの民間業者に任せるべきでは」との質問もあがった。これに対し稲村さんは「郵便事業は郵便貯金・簡易保険で補填し、税金は1円も投下していません。民間会社は離島など配達できない地域がある。全国一律料金で郵便を届けるユニバーサル・サービスが他にあるというのか」と答えた。他の国の例を見るとネパールでは1週間かけてでも、旧ユーゴでは内戦下でも配達していたそうだ。

民営化前は約370兆円あった郵貯マネーは今や「毎月1兆円ずつ米国債に消える」との噂もささやかれる。その「被害者」の多くは2005年総選挙で小泉純一郎首相率いる自民党に投票したと思われる。地に墜ちた感の郵便局への信頼を取り戻すにはすべてを白日のもとにさらすしかない。

(堀本秀生・自営業、2019年8月23日号)

 

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