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日韓、「貿易政策による報復」は禁じ手

佐々木実|2019年8月18日7:00AM

政府が韓国向け輸出の規制強化に乗り出したのは7月4日だった。対象の3品目は、スマートフォンやテレビのディスプレイに使われるフッ化ポリイミド、半導体の基板に塗る感光材のレジスト、半導体の洗浄のために使われるフッ化水素。いずれも、日本企業が圧倒的シェアを誇る。

本稿執筆時点(7月12日)で規制発動から8日がすぎた。半導体は韓国の主力輸出品だ。政府は3品目の日本からの輸出を厳しく規制することで韓国経済に実質的な打撃を与えようとしている。もっとも、日本企業も従来の優遇措置を受けられなくなり、個別の出荷ごとに申請をしなければならず、さっそく混乱が起きている。

理由として政府は、韓国の輸出管理に「不適切な事案」があったなどと説明したが、それが第一の理由と受け止める者などはじめからいなかった。規制が発動された日、韓国の洪楠基・副首相兼企画財政相は「強制徴用(徴用工)訴訟に関する司法判断に経済領域で報復した措置だ」と日本政府を批判、「撤回しなければ世界貿易機関(WTO)提訴を含めた相応の措置をとる」とのべた。

安倍晋三首相も規制発動の前日、日本記者クラブの党首討論会で、元徴用工訴訟に対処しない韓国政府への事実上の対抗措置だという認識を明らかにしている。

両国が折り合うことなく、このまま輸出規制が継続されるなら、実際に韓国経済に打撃を与えてしまう公算が大きい。半導体は韓国の輸出の2割を占めるが、米中貿易摩擦のあおりなどで最大手のサムスン電子は今年4―6月期で56%の営業減益と苦戦している。

日本政府は輸出手続きを簡略化する優遇措置が受けられる27カ国の「ホワイト国」のひとつに韓国を認定しているが、「対抗措置」の一環でホワイト国から外すことを決め、3品目以外の製品も個別申請の対象とさせるべく政令改正の手続きに入っているという。

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