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習近平氏訪朝で米を牽制 
非核化評価、経済協力など確認

文聖姫|2019年7月2日4:18PM

北朝鮮を取り巻く各国首脳の動き

史上初の米朝首脳会談(2018年6月12日)からほぼ1年後の6月20、21の両日、中国の習近平国家主席が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首都、平壌を国賓として訪れた。中国の最高指導者の訪朝は14年ぶりで、習氏は党と国家の最高指導者に就任してから初の訪朝となる。両国とも米国との間で問題を抱える。中国は通商交渉が難航し、北朝鮮も非核化交渉が停滞している。習氏の訪朝は、伝統的な親善関係を強調することで、北朝鮮の後ろ盾としての中国の存在をアピールし米国を牽制するものとなった。

北朝鮮は最大級の歓待ぶりだった。平壌国際空港では朝鮮労働党委員長の金正恩氏が妻の李雪主氏とともに習氏一行を出迎え、見送った。22日に朝鮮中央テレビが放映した記録映像によると、金氏夫妻は初日のマスゲーム観覧終了後、深夜にもかかわらず習氏夫妻を宿舎の錦繍山迎賓館まで直接案内した。

19日付『労働新聞』1面に掲載された寄稿文で習氏は、「朝鮮の同志らとともに手を携えて、地域の恒久的な安定を実現する遠大な計画を作成する用意がある」と、朝鮮半島の非核化に積極的に関与する意思を示していたが、会談でも非核化問題を中心に国際情勢が話し合われた。北朝鮮国営朝鮮中央通信によれば、両首脳は「朝鮮半島情勢をはじめとする重大な国際および地域問題に関する幅広い意見交換を行ない、国際および地域情勢において深刻で複雑な変化が起きている環境で両国の関係をさらに深く発展させることが共通の利益に合致し、地域の平和と安定、発展に有利に働くと評価した」。

【朝中露の協力関係も進展か】

中国国営新華社通信によると、習氏は北朝鮮の非核化への取り組みを評価し、「国際社会は朝米が対話で成果を得ることを望んでいる」と強調。金氏は米国を念頭に「多くの措置を講じたが、当事国の良い反応を得ていない。辛抱強く待つが、当事国は歩み寄ってほしい」と訴えた(『朝日新聞』6月21日)。

朝鮮中央通信によると、両首脳は高官往来の伝統を維持し、各分野における交流と協力を深めるために積極的に努力することで合意した。経済協力のための高官往来を活発化させることを念頭に置いたものだろう。近年、金氏は経済を重視する姿勢を打ち出しており、来年は16年に自らが示した「経済発展5カ年戦略」の最終年だ。経済発展の妨げとなる制裁緩和に向け、中国の協力は不可欠だ。大阪での主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせトランプ米大統領と会談する習氏に米国の姿勢の変化を促す狙いもあるだろう。

今年2月の第2回米朝首脳会談が不発に終わった後、金氏は4月にロシアのプーチン大統領と会談した。習氏とは昨年から4回会談を重ねてきたが、今回の習氏の訪朝で、朝中露の協力関係ができつつあるとの見方もある。

朝鮮中央通信は23日、習氏の帰国直後、トランプ氏から金氏宛てに親書が送られてきたことを報じた。同通信によると、金氏は立派な内容に満足し、興味深い内容を慎重に考慮すると述べたという。ポンペオ米国務長官も親書を送ったことを認めた。第3回米朝首脳会談が視野に入ってきた。

(文聖姫・編集部、2019年6月28日号)

(編注)トランプ米大統領は6月30日午後、韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を隔てる軍事境界線上にある板門店を訪れ、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。米朝の首脳会談は今年2月のベトナム・ハノイに続いて3回目。

 

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