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元会長ら3被告に禁錮5年を求刑 
東電刑事裁判、3月に結審

添田孝史|2019年1月22日10:03AM

公判後の記者会見に臨む遺族側代理人弁護士。(撮影/添田孝史)

東京電力福島第一原発の事故を引き起こしたとして、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電元会長・勝俣恒久氏、元副社長の武黒一郎、武藤栄両氏ら旧経営陣3人の第35回公判が、2018年12月26日に東京地裁であった。検察官役を務める指定弁護士は「3人は、福島第一に敷地を越える津波が襲来する可能性があることを知りながら、何一つ対策をしなかった」と述べ、責任は極めて重いとして3人に禁錮5年を求刑した。

同年10月に行なわれた被告人3人への本人尋問では、責任を転嫁する供述が目立った。

「原子力部門のほうで自立的にやってくれるものだと思っていた」

「まとまったところで報告があると思っていた」

指定弁護士は、こんな被告人らの責任を問うキーワードは「情報収集義務」であるとして、以下のように述べた。

「被告人らが他者に物事を委ねることなく、自らその権限と責任において、積極的に情報を取得し、これらの情報に基づいて的確かつ具体的な対策を提起し、これを実行に移してさえいれば、本件のような世界に例をみない悲惨な重大事故を防ぐことができた」

これまでの公判では東電社員、津波の研究者、当時の原子力安全・保安院の職員ら21人の証人を呼んで事故の経緯を尋ねたほか、東電から押収した会議録、メールなどを詳細に調べた。その結果、「被告人らが、巨大津波の襲来を予見できる様々な機会をもちながら、これをないがしろにし、もっともらしい理由を付けて、防護措置をとることを引き延ばし、怠っていたことが、浮かび上がりました」と説明した。

3月12、13日の弁護側最終弁論で、17年6月の初公判から1年9カ月続いた公判は結審する。

公判で読み上げられた論告と、被害者参加弁護士の意見の全文は、福島原発刑事訴訟支援団の公式ウェブサイト(URL https://shien-dan.org/)で読める。

(添田孝史・ジャーナリスト、2019年1月11日号)

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