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『新潮45』問題から東京五輪後のLGBT運動を想像する

古怒田望人|2018年9月27日12:03PM

特集<特別企画 そんなにおかしいか「杉田水脈」論文>により『新潮45』が休刊という事実上の廃刊に至った。同誌の特集は自民党の杉田水脈衆院議員が<『LGBT』支援の度が過ぎる>と題する論考で、LGBTは「子供を作らない。つまり、『生産性』がないのです」と主張したことが大批判を受けたことに対する反論であった。

この「生産性」問題のみならず、LGBTはLGBT市場として経済価値を生むと企業は注目してきた。ただ、いずれも、存在そのものを認めるのではなく、経済価値がある存在として容認するという考えだ。

『新潮45』問題が起きる以前から筆者の古怒田望人は、2020年東京オリンピック・パラリンピック以後にはマイノリティやLGBTを取り巻く状況が悪化するのではないかと危機感を抱き、発言を続けている。

『週刊金曜日』9月7日号特集「誰のための東京オリンピック」に掲載された論考「2020年以後のLGBT運動を想像する」を掲載する。(「金曜日オンライン」編集部)

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各市区町村が同性愛者をパートナーとして、あくまでも各市区町村の条例としてではあるが、認める「同性パートナーシップ条例」の推進。また見た目の性別にかかわらずトイレ利用を可能にする個室トイレ(ユニセックス・トイレ)の増加の方針。このように、この数年間の間に国内で「LGBT」(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのイニシャルを集めた略語)と呼ばれる性的マイノリティへの支援政策が表面上進んでいる。

けれども、2015年に同性パートナーシップ条例を推進したことで著名な東京・渋谷区は、それまで野宿者の居住地であった宮下公園をナイキジャパンに譲渡し、私有地化することで11年に野宿者たちを宮下公園から強制排除した。

電通と共同でダイバーシティ(多様性)政策を掲げる渋谷区がこのような暴力を行なうのは、明らかにあと2年後に迫った東京オリンピックを見据えての区の「清浄化」だろう。

では、グローバルなポリティカルコレクトネスを表象する「清く正しい市民」として、日本の庇護の下にあるLGBTは五輪の後にどのような運命をたどることになるのだろうか。

LGBTの町、新宿二丁目近くにあるマルイメンズ館には、レインボーフラッグや「自分らしく生きる」というポスターが。(写真撮影/平井康嗣)

オリンピックと資本主義と

新宿二丁目の程近くにあるマルイメンズ館の外装には、大きなレインボーフラッグが掲げられている。

周知のように、レインボーフラッグはLGBTを含むダイバーシティの象徴だ。奇妙なのは「メンズ」という明らかに多様性を排除したこの店舗でマルイがこのフラッグを掲げていることである。
ここには、東京最大のゲイタウンである新宿二丁目のゲイマーケットへのアピールがあるのだろう。ゲイコミュニティに属しているわけではない筆者にとってどこまでこの戦略が効果をもっているのかは定かではないが、数億円とも、数兆円とも言われるゲイ産業が生み出すカネにマルイが飛びつこうとしているのは間違いない。どのような文化や社会にも経済市場があり、それをビジネスマーケットにすることは必ずしも間違ったことではない。けれども、オリンピックにおけるLGBTの存在がいかに資本主義と切り離せないものであるのかをこのマルイの動きは如実に示している。

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