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経産省前「脱原発テント」強制撤去から2年 
座りこみは現在も

薄井崇友|2018年9月12日10:48AM

経産省に向け「再稼働反対!未来を守ろう!」とコールする人たち。毎週金曜日は夕方5時から抗議のスピーチを続ける。(撮影/薄井崇友)

東京・霞が関の経済産業省前、国有地の一角にあった脱原発運動のシンボル「脱原発テント」が強制撤去されて2年になる。

福島第一原発事故から半年経った2011年9月11日、原発廃止を訴える「人間の鎖」が経産省を囲み、若者4人がハンガーストライキを決行した。そのサポートに一張りのテントが張られたのが「脱原発テント」の始まりだ。10月、「原発いらない福島の女たち」の座り込みを機にテントは3カ所に増え、24時間体制の市民運動の拠点となった。

国の撤去要請に市民グループは「撤去するならテントではなく原発だ」と跳ねつけた。だが、安倍政権になった13年3月、経産省がテントを設置している市民グループに立ち退きを求め、東京地方裁判所に提訴。16年7月、最高裁が市民グループの上告を棄却し、テントの撤去と約3800万円の支払いが確定。テントは同年8月21日未明に強制撤去された。

【9月に記念集会開催】

しかし、市民らは屈しなかった。撤去以降も経産省前の歩道で毎日午後に座り込み抗議を継続し、毎週金曜日には脱原発をめざす市民らが集結し声を上げ続けている。

強制撤去から2年と3日が過ぎた8月24日金曜日の午後も座り込み抗議の姿があった。男性が歩道でビラを配り、一人ひとりに脱原発の必要性を丹念に説く。90歳を超えたという女性も、歩道を歩く人たちに「原発は危険です。やめましょう」と声をかけた。

17時、40人超が参集しマイクを握り、次々と抗議の声を上げた。原発の新設を目論むようなエネルギー基本計画を出した経産省や、福島第一原発の処理水(トリチウム水)を基準値以下に薄めれば海洋投棄を容認するとした原子力規制委員会へ厳しい批判が続いた。

当初からこの場所に来ているという女性は、「この2年はあっという間でした。今はいい方向にいっていないけど絶対にあきらめない」と話した。

18時、『座り込みの歌』を合唱し「再稼働反対、命を守れ、未来を守れ」とコールを響かせ終了。参加者の多くは、国会前・首相官邸前へ移動し「金曜抗議」(首都圏反原発連合主催)へ合流した。

「経産省前テントひろば」は、「金曜抗議」とともに原発事故以降の新しい市民運動の源流と言える。原発推進の安倍政権が最も恐れるのは、全国で起きているこうした草の根の市民運動の連携だろう。

「人間の鎖」から7年になる9月11日には「記念集会~福島は終わっていない!原発は終わりだ!」(経産省前テントひろば主催)を開く。木内みどり(司会)、鎌田慧(ルポライター)、吉原毅(原自連)の各氏らをゲストに、18時から経産省前で小雨決行だ。

(薄井崇友・フォトジャーナリスト、2018年8月31日号)

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