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石破氏が日米地位協定の改定明言 
安倍首相との違い鮮明に

横田一|2018年9月10日10:30AM

会見する石破氏。8月24日、参議院議員会館(東京・千代田区)にて。(撮影/横田一)

安倍晋三首相(自民党総裁)は26日、視察先の鹿児島県垂水市で総裁選(9月7日告示・20日投開票)への出馬を正式表明した。既に出馬表明を終えた石破茂元地方創生担当大臣との一騎打ちとなる見通しだが、総裁選の争点などについて聞かれた安倍首相は「どのような国造りをしていくのかだ。骨太の議論をしていきたい」という抽象的回答。ただ同日の自民党鹿児島県連の会合では改憲の必要性を強調した上で「今まで以上に全ての人生を懸け、努力を重ねる」と訴え、自衛隊を憲法9条に明記する改憲原案を秋の臨時国会に提出する意向も明らかにしていた。

これに対して石破氏は「(改憲は)スケジュールありきでやるべきものとは考えていない」と釘を刺す一方、フリーの記者も参加可能な政策発表会見(8月17日)では、「憲法9条改正より参院の定数問題や緊急事態条項について優先して議論すべき」と代替案を示した。と同時に日米地位協定改定の必要性も強調、目玉政策にしようとしていた。7月26日に共同通信加盟社論説研究会が主催した講演会で次のように訴えたのだ。

「日本が(現在は米軍側が持つ)管理権を日本が持ち、米軍がゲストとして存在することは不可能なことではない」「(防衛大臣時代に)日米地位協定の『運用改善』に努めてきたが、『改定』そのものに取り組まねばならない」

ちなみに安倍首相は、去年12月から1月にかけて沖縄でヘリ事故が頻発した後も、国会答弁で「日米地位協定は運用改善だけで十分。改定は必要ない」という立場を取り続けていた。

8月21日の構想日本主催のフォーラムでも、日米地位協定改定へのこだわりを見せた。質疑応答で沖縄問題について聞かれた石破氏は、辺野古新基地建設について、次のように持論を繰り返した。

「(沖縄では)犯罪、騒音、事故といろいろあります。その時に沖縄県民が『日本政府は日本人の味方だよね』と思ってもらえるのは大事。つまり(地位協定改定をした)イタリアで米軍機が事故を起こすと、イタリア政府が『飛行差し止め』をするわけです。それは『イタリア国民が一番大事』だからですよ。日米地位協定改定は今まで『アンタッチャブルだ。日米安保協定を変えないと不可能』と言われてきたが、そうでしょうか。『日米地位協定の改定はできない』と決めつけるものではないと思っています」

【種子法廃止でも違い鮮明】

対米追随で「米国益第一・日本国民二の次」の安倍政権(首相)との違いは、米国製武器購入についても明白だった。地方創生がテーマの24日の会見で「秋田と山口でイージス・アショア反対運動が起きているが、北朝鮮情勢が変わっているのに強行しようとしている」と政権の姿勢について聞くと、こんな回答が返ってきた。

「『なぜ、そこでなければならないのか』ということについて地域の理解なくしてできることではない。イージス・アショアは将来の艦船のシステムを代替するものであり、イージス・アショアだけではなく、海上自衛隊の能力をいかに活かして日本の安全保障のために活用するのかを議論すべき。『また高い買い物をするのか』『地域の住民の理解なくしてやるのか』ということを払拭をすることは当然、必要だと思っています」

また種子法廃止について「地方自治体が(種子法)廃止法案を肩代わりする条例制定をしているが、種子法廃止が日本の農業の潜在力を奪うことにならないのか」と聞くと、石破氏はこう答えた。

「いかに日本の農業の技術を伝承していくのか。消費者の安全をどう確保するのかを考えていくべき。国が法律を作って各地に条例ができるのが必ずしもノーマルな形だと思っていない。種子法が地方や農業者の意見も入れていきながらきちんと運用されるように、法改正にさらに務めていくべきと考えています」

9条改憲や日米地位協定改定や種子法廃止などで、安倍首相と石破氏との違いが浮き彫りになっていく。総裁選で論戦が期待される。

(横田一・ジャーナリスト、2018年8月31日号)

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