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〈追悼〉朝日阪神支局襲撃事件の犬飼元記者

2018年2月16日5:52PM

朝日新聞社阪神支局の資料室に展示されている犬飼さんのボールペン(中央)。被弾痕が生々しい。(写真/粟野仁雄)

戦後最悪、かつ未解決の言論テロ事件で、最も重要な生き証人が亡くなった。31年前の「憲法記念日」に起きた朝日新聞社襲撃で重傷を負った元記者の犬飼兵衛さんが1月16日、香川県の病院で亡くなった。享年73。1987年5月3日夜、同社阪神支局(兵庫県西宮市)に目出し帽の男が侵入、犬飼さんと、一緒にいた小尻知博記者(当時29歳)にいきなり散弾銃を発砲した。小尻記者は翌日死亡。犬飼さんはポケットの金属製ボールペンが奇跡的に心臓を守ったが右手の2本の指を失うなど重傷を負った。

復帰後は兵庫県や長野県の支局長などを務め2007年に定年退職し、長野県で暮らしていた。02年に時効となった際の会見では「この15年、いたずらに時間が過ぎた。言葉にすれば悔しさしかない」などと話していた。

静岡支局爆破未遂、名古屋本社寮襲撃など朝日新聞社に対し「赤報隊」が犯行声明を出した一連の警察庁広域重要指定116号事件は03年にすべて時効となった。

阪神支局で事件に遭遇した高山顕治記者(56歳)は会見し「事件当時を知る先輩が次々亡くなり寂しい。ショックです。(犬飼氏は)手術を終えて病院で目を覚ました時、医師に『またペンを握れますか』と言ったほど、記者魂を持った人だった」と振り返った。謹んで哀悼の意を表します。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、2018年2月2日号)

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