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『人民新聞』編集長が不当な勾留に抗議 「口座は私が管理しており無実」

2017年12月26日10:48AM

抗議集会で発言する下地真樹さん、12月8日、大阪ドーンセンター。(撮影/浅野健一)

兵庫県警に「詐欺」容疑で逮捕され、生田署に勾留中の山田洋一『人民新聞』編集長の勾留理由開示裁判が12月8日、神戸地裁(毛受裕介裁判官)で行なわれた。山田さんは接見禁止になっており、逮捕から18日間、弁護人以外に会えておらず、傍聴席の支援者約80人の拍手と激励の声援に右手を挙げて「元気です」と応じた。

弁護団(主任・高木甫弁護士)は裁判官に「山田さんがどうやって証拠を隠滅するというのか具体的に説明を」「新聞社代表の山田さんが読者を見放して逃亡する可能性があるのか」と質問した。裁判官は「捜査中であり、答えない」と回答を拒否。傍聴人は「何のための勾留理由裁判か」などと激しく抗議、一人が退廷命令を受けた。

山田さんは約20分の意見陳述で「私の口座とカードは私の完全な管理下にあり、他人に渡した事実はなく無実だ。50人の警察官を動員しての逮捕、捜索は違法だ。公安警察は6月から捜査を始め、逮捕前に口座の調べなどを終えている。私が証拠隠滅のしようもない。刑事も私に聞くことがなくなって困っている」と述べた。また「逮捕で衣服をすべて奪われ、全裸にされた。名前ではなく番号で呼ばれ、事細かな指示規則を強制され、抗議すると懲罰房に監禁される。署内の移動の時にも、手錠・腰縄をされる」と非人間的な処遇を批判した。山田さんの発言に大きな拍手がたびたび上がった。

『人民新聞』の園良太編集部員、木村真・豊中市議らは裁判前に、神戸地検の髙﨑秀雄検事正と福井幸一検事へ宛てた「不起訴と即時釈放を求める要求書」を提出した。

同日、午後7時から大阪市内で緊急抗議集会が開かれ、約100人が参加。下地真樹阪南大学准教授は「人民新聞の読者を増やすことが、弾圧をはねのける闘いへの大きな力になる」と訴えた。

地検は11日、「被害者」の存在しないこの事件で起訴を強行した。

(浅野健一・ジャーナリスト、12月15日号)

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