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袴田事件、高裁審理がようやく終結へ 今年度中に再審可否を決定

2017年11月28日12:07PM

3者協議を終え記者会見する弁護団と袴田秀子さん(右から2人目)。(撮影/小石勝朗)

1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で、死刑が確定した元プロボクサー袴田巖さん(81歳)が求めている再審開始について、東京高裁(大島隆明裁判長)は11月6日、可否の決定を来年3月までに出す方針を明らかにした。検察が静岡地裁の再審開始決定を不服として即時抗告してから4年を経て、ようやく高裁の判断が示される。

袴田さんの弁護団は同日の高裁、検察との3者協議で「本日をもって協議の終了を」と求めた。それを受ける形で高裁は、来年1月19日までに検察と弁護団が最終意見書を出すとの日程を提示。決定の時期について「今年度内にできるだけ早く」と述べたという。

西嶋勝彦・弁護団長は記者会見で「十分に審理を尽くし検察の主張は粉砕した。地裁決定をさらに強化して不動の内容にしてほしい。1日も早い再審開始を望む」と自信を見せた。巖さんの姉の袴田秀子さん(84歳)は「(9月にあった)DNA鑑定の鑑定人尋問を聴いて勝った気でいる。良い結果をくれると思う」と語った。

一方、検察は審理終結を予期してか、この日の3者協議に合わせて18点もの「証拠」を新たに高裁へ提出した。高裁で焦点になったDNA鑑定の手法や、地裁決定が新証拠と認定した1年2カ月味噌に漬かった衣類の色をめぐる、学者の意見書や調書だという。

審理の長期化につながるこうした対応が取られるのは、検察が再審開始決定に対し抗告できる仕組みに問題があるとの指摘が出ている。6月に再審開始決定を受けながら検察に即時抗告された「大崎事件」の鴨志田祐美・弁護団事務局長は、11月9日に東京都内で開かれた集会で「迅速な裁判を受ける権利や『二重の危険の禁止』という憲法の規定に反する」として、検察の抗告を禁止するよう訴えた。袴田事件の高裁決定の内容如何で、議論が活発になりそうだ。

(小石勝朗・ジャーナリスト、11月17日号)

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