【タグ】前原誠司|太田昭宏|安倍晋三|小林よしのり|小池百合子|山口那津男|山尾志桜里|山花郁夫|横道孝弘|池内沙織|照屋寛徳|翁長雄志|赤松広隆
リベラルを壊滅せんとしたYMK(佐高信)
2017年11月11日10:00AM
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)ならぬYMKが今度の選挙戦の私の批判対象だった。安倍晋三はもちろんだが、それとタッグを組んだ公明党の山口那津男、そして希望の党ならぬ野望の党の小池百合子、その小池に赤子の手をひねるようにだまされて民進党を解体させた前原誠司、この3人がリベラル破壊トリオである。
いつものように私の選挙応援は沖縄から始まった。公示前夜の10月9日、社民党の照屋寛徳の総決起大会に臨み、かりゆし姿で同い年の照屋を激励した。知事の翁長雄志も同じく壇上にいた。私のスピーチの肝は「自民党に天罰を! 公明党に仏罰を! そして希望の党に絶望を」である。
15日、前から予定されていた山形県川西町での護憲集会に講師として行く直前、庄内農業高校の教え子で社会研究サークル「考える足」のリーダーだった桜田常夫から悲鳴のような電話がかかってきた。山形は自公の対立候補がみんな希望の党へ行って投票するところがないという。
ウーンと唸りながら、はかばかしい答えもできないままに17日は新潟へ行った。立憲民主党の西村智奈美の応援である。市民主催の会で話したが、新潟は先の県知事選挙の余韻もあって、対立候補は希望へ行かず、立憲民主か無所属で闘っている。
夜遅くに東京に戻って、翌18日は板橋駅前で共産党の池内沙織の応援。ここは自民党が候補を立てず、公明党前代表の太田昭宏を支援しているが、池内が勝てば、自公連立に大きなヒビが入る。
力を込めて公明党ならぬコウモリ党と創価学会の批判をしたが、帰りに支援者たちが
「大丈夫ですか。気をつけて帰ってください」
と心配してくれる。
19日は小田急線の狛江駅前へ。立憲民主党の山花郁夫の応援である。
私は郁夫の父親の貞夫を、彼が日本社会党の委員長時代に私を勉強会に呼んでおきながら、そばの人間と話しているのでしかりつけたことがあるが、息子の方が好青年という印象。彼の祖父の秀雄はバリバリの左派だった。横路孝弘にしても赤松広隆にしても、左派の父親に反抗してか、息子はたいてい右派になる。
スピーチの後にこんなことを考えながら帰ってきた。
思わず涙ぐんだ山尾志桜里の演説
そして20日、愛知県大府市へ。渦中のひとの山尾志桜里の演説会に参加した。漫画家の小林よしのりが彼女の、いわば後見役なのだが、『俳句界』で対談した時、何とかカムバックさせたいと言うので協力するよと申し出た結果である。
名古屋へ向かう同じ新幹線に私は品川から、小林は新横浜から乗り込む。
15分のスピーチで、私は、
「よく立ってくれた」
と言った。権力から狙い撃ちされる者の苦しさは私も共感できるからである。その後、今度の選挙の焦点は「かきくけこ(加計学園、北朝鮮、九条、原発、小池と公明党)」だと話し、本誌の前社長として、山尾のインタビューが載っている6月23日号を掲げ、対談等を含めて協力してもらっていることへのお礼の意味でも来たので是非勝ってもらいたいと結んだ。
最後の山尾の演説が迫力があり、私は思わず涙ぐんでしまった。小林のブログには「号泣」したと書かれたようだが、そんな醜態は見せない。
その晩は名古屋に泊まって、翌日、小牧空港から花巻空港へ。21日に岩手県の水沢で開催する佐高塾を予定通り行なうためである。
ニセ紳士の山口、ダメ男の前原、性悪女の小池のYMKに対抗してできた立憲民主党を軸に、私たちはこれからも闘いを続けよう。
(さたか まこと・『週刊金曜日』編集委員、10月27日号)
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