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731部隊の元隊員が戦後に復権し、政財界で暗躍していた

日中戦争80年共同キャンペーンは2回目。講演する加藤哲郎氏。(東京・文京区民センター、写真/原田成人)

8月26日、東京・文京区で加藤哲郎・一橋大学名誉教授が731部隊の戦後をテーマに講演(主催:日中戦争80年共同キャンペーン実行委員会)、約100人の市民が参加した。講演は今年5月に加藤さんが上梓した『「飽食した悪魔」の戦後』(花伝社)を軸に行なわれ、3560人いたとされる731部隊隊員の1人、二木秀雄氏を追うことで明らかにした。

講演では、敗戦直前に大本営から証拠抹消命令が出された一方で、帰国した二木氏が、金沢に731部隊の仮本部を設置し、満洲から持ち帰った物資や実験データを保管したことを指摘。後に、そのデータ提供を元に米軍との免責の取引が成立し、731部隊や創設者の石井四郎氏は、極東国際軍事裁判(東京裁判)での訴追を免れた事実が説明された。

実質的な部隊解散後の関係者の復権には、GHQの公衆衛生福祉局(PHW)サムズ准将の関わりが大きく、広島・長崎の原爆調査への関与も紹介された。復権の過程で後に薬害エイズ事件を起こす「ミドリ十字」が部隊関係者によって設立された事例や、二木氏が、金沢で創刊した『輿論』が後に右派政局雑誌『政界ジープ』となり総会屋雑誌などになっていく系譜も紹介され、731部隊の清算されない過去が現在ともつながっている事実が明らかになった。

(原田成人・業務部、9月1日号)