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東京大学が非常勤職員8000人大半の雇い止めを強行か

東京大学で働く約8000人の非常勤教職員の大半が、来年4月以降雇い止めされる可能性が高くなった。8月7日に開かれた東京大学教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉で、大学側が明確にした。

東大の非常勤の雇用形態は2種類ある。「特定有期雇用教職員」は特任教員や看護師・医療技術職員など約2700人。「短時間勤務有期雇用教職員」は、パートタイムワーカーで約5300人もいる。

2013年4月に施行された改正労働契約法は、5年以上同じ職場で働く非正規労働者が希望した場合、無期雇用に転換することを定めている。組合側は、2018年4月以降、希望者全員の無期雇用転換を求めているが、大学は契約期間の更新を上限5年とする「東大ルール」を法律よりも優先。法人化前から働く480人など一部を除いて雇い止めする方針だ。

また大学は、短時間勤務の教職員は6カ月のクーリング期間をおけば上限5年での再雇用が可能としている。しかし、無期転換を避けるためのクーリングは違法または脱法行為とされる。しかも以前は3カ月だったクーリング期間を、改正法の成立後、雇用期間が「リセット」される6カ月に変更した。これは労働条件の不利益変更だが、労基署に届け出ていない疑いがあり、非常勤講師組合は労働基準法違反で刑事告発を検討している。

団交で大学は、無期雇用できる「職域限定雇用職員」制度を来年4月に作るので、法に矛盾しないと主張。試験を行なうというが採用人数は明らかにしていない。

全国86の国立大学法人で働く非常勤教職員は約10万人。文部科学省によると、法改正を受けて無期転換を決めたのは6法人だけで、東大の対応が正当化されると、追随する大学が出てくる可能性がある。最も模範になるべき存在の東大がこのまま雇い止めに突き進むのか、今後の対応を注視したい。

(田中圭太郎・ジャーナリスト、8月25日号)